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NG理由を細分化したら、継続的な成果につながった話

campas.2023/6/19

キャンパス氏はインサイドセールス、フィールドセールスとして活躍しており、所属企業でのMVP獲得多数。独自の鋭い視点と実体験での学びを共有いただいております。※写真はご本人ではございません。

ご本人の希望により匿名にて寄稿いただいております。

前提


本記事は、インサイドセールスの活動の中でお客様からいただくNG理由の分析の仕方について触れています。日々の活動で得られたデータを二次活用し、成果に繋げるための考え方を記載していますので、インサイドセールスに取り組んでいる、これから取り組む方にお読みいただければと思います。

これができるかできないかで成果はもちろん、成長にも影響がありますのでぜひ挑戦してみてほしいです。

アポイントが取れなくて悩んでいませんか?


インサイドセールスに携わる方の多くが、必ず一度はぶつかる悩みではないでしょうか。稼働開始から悩む方もいれば、最初は順調だったのに壁にぶつかる方など様々だと思います。ただ、あえて追加で質問させてください。「悩んでいます」で終わっていませんか?

当然ですが、新規の営業活動において100件架電してもアポイントにつながるのはおよそ1件と言われています。そのため多くの方がアポが取れず、悩む時間があると思うのですが、実はこの時間がかなりもったいないのです。

アポが取れなかったということは、裏返せばアポが取れない理由を収集することに成功したとも捉えることができます。そのため、せっかく集めたそのデータを二次活用せずにただ漠然と悩んでる方は時間を浪費してしまっている可能性があります。

もちろんつらい気持ちは理解できますし、私もそうでした。ただ、そこで立ち止まっていては同じことの繰り返しですし、継続的に成果を出すことは難しい。そしてお客様にもご迷惑をおかけしてしまいます。

答えは因数分解にあります


インサイドセールスの業務といっても役割や手法によって様々あります。例えば、PUSH型でアポイント獲得を目指す場合、インサイドセールスの中でのBDRでいうと、

①リスト作成(精査)
②代表電話に架電(もしくは事前のレター送付)
③受付突破
④キーマンコンタクト
⑤メリット訴求(質疑応答)
⑥アポイント獲得

大枠でもこのようなプロセスを踏むことになります。業務によってもプロセスは変動しますが、重要なことはどのプロセスで、どんなNG理由をもらっているかを集計しておくことです。下記に具体例としてのイメージを記載します。

例)NG理由100件の内訳

▼NGプロセス
・受付突破:5割
・キーマンコンタクト:3割
・メリット訴求(質疑応答):2割

▼プロセス別のNG理由詳細
・受付突破
 -営業お断り:6割
 -担当者が出社していない:2割
 -担当者が席を外している:1割
 ‐不通:1割
 
・キーマンコンタクト
 -忙しいから改めてほしい:4割
 -営業は断ってる:3割
 -資料を送って:3割

・メリット訴求(質疑応答)
 -いま検討できる余裕がない:2割
 -興味はあるが予算がない:2割
 -必要性を感じない:3割
 ‐まだ時期じゃない:1割
 -資料を送って:2割

上記は一例であり、必要に応じて更に細分化した集計を行います。どのプロセスで、どんな理由で断られているのかが分かれば対策が立てられます。商談の獲得に至らなかったとしても、そのNG理由を収集し、正しく理解するところまでをインサイドセールスの活動と捉えることが重要です。

このようにお客様から断られた理由を一括りに考えるのではなく、各プロセスごとに集計することが成果向上に繋がります。
また集計の仕方は様々で、業界別/従業員規模別/部署別などといったセグメントで集計するのも有効です。是非、自社の成果に最もインパクトのあるセグメントを見つけ集計と分析を実施してみてください。

集めたNG理由を基にトークをブラッシュアップ


それではお客様からNGを頂くプロセスと理由を可視化し、トーク構成やワードを修正しトライ&エラーに取り組むための具体例に触れていきます。主な方法は以下の2つです。

①ニーズの顕在化を起点にトークを再構築する


お客様のニーズが顕在化する前に商談や製品の訴求に入ってしまうと「必要性を感じない」や「◯◯が不安」などのネガティブな反応やお言葉をいただいてしまいます。まずは内容よりもお客様に断られたタイミングに注目して、本当に日程打診や製品紹介をするタイミングとして最適だったのかを疑いましょう。

また、訴求時には「御社と同業界の○○(企業名)様にもご利用いただいていて、同業界の企業が導入した背景などは御社もご興味頂けると思いご連絡いたしました。」というように、自社でも話を聞いておくべき必要性を先にお伝えしておくことで「必要性を感じない」というNG理由を減少させることも可能です。

②NG理由を起点にトークを再構築する


一例ですが「まだ時期じゃない」というNG理由に対して対策をしたと仮定し、切り返しトークを用意します。「それでは仮にご検討いただけるとしたらいつ頃が現実的でしょうか?」「ちなみにご検討されるとなった場合、類似サービスの 情報なども気にされますか?」「では○か月後の負担を減らせるよう弊社で情報を取りまとめさせていただきますので○○様が求める情報とズレがないかすり合わせるためのお時間を30分ほど頂ければと思います」といったイメージです。

インサイドセールスはお客様にとって良きビジネスパートナーであることが重要です。NGをいただいてもそれは結果ではなくプロセスです。ですからお客様がそのときに必要であろう情報や回答を準備しておくことで、関係が継続し、場合によってはその場で商談の機会を獲得することにもつながります。

実際に架電してチェックしてみる


分析してトークを構成してゴールではありません。実践しただけでもゴールではありません。商談が獲得できてはじめて一定の目的を達成したと言えるのです。実際に架電した場合のチェック項目について記載していきます。

□NG箇所はクリアできたか?
□NGになった理由は明確か?
□次のアクションは明確か?
□次のアクションについてはお客様と合意できているか?
□次のアクションの準備(メールテンプレや資料の準備)は完了しているか?
□日程打診で断れた率は?
□全体の商談獲得率は?

NG箇所のクリアについては、皆さんが用意した回答、トークが正解だったのかを確認します。そして次のアクションですが、これが明確になっていればそれは切り返しの準備ができているということです。また、円滑に次のアクションを実行するためにも事前にお客様と合意形成しておきましょう。例)◯日に資料を送る、◯曜日に再度電話する、など。

また、そういったアクションの準備ができていることが望ましいので、テンプレや資料は準備しておきましょう。もしできていないのであれば、電話がつながりにくい時間帯や18時以降など、時間が使える場所を探してしっかり整備しておいてください。ここが甘いと面倒になり、細かい対応をしにくくなります。

そして、最終的にはまた定量的に捉えていくことが必要になりますので、必ず数値分析を行い、実施前との比較、経過を観測してさらなる改善を目指していってください。

まとめ


このようにインサイドセールスの活動はただ電話をして終わるものではありません。活動で得た情報をまとめ傾向を見出し、改善を図ることで生産性を高め、それらを仕組みに落とし込んでいく専門性の高い職種です。NG理由を分析することでコールtoアポ率(*)を4%、5%に押し上げることも不可能ではありません。

いきなり複数のセグメントで分析をするのは難易度が高いですが、まずは最低限の分析から始めてみましょう。アポイントが取れず漠然と悩む時間が少しでもあるならばその理由を解き明かすために時間を使うべきです。思考を止めず小さな改善活動を繰り返すことができるインサイドセールスが市場から求められる存在であると考えます。

少しでも現状に不足があると感じた方は是非明日から取り組んでみてもらえたら幸いです。

(*):架電した回数に対してアポイントにつながった割合

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