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1人目のインサイドセールスが取り組むべきこと

原 秀一 | セールスリクエスト2024/1/10
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本記事では、社内でインサイドセールスを立ち上げる際に、一番初めに取り組むべきことについて触れています。やるべきことが多い立ち上げ期に、生産性を高めながら垂直立ち上げを実現するための重要ステップです。ぜひ明日から実践してみてください。

原 秀一 株式会社セールスリクエスト 代表取締役。大手人材企業にて求人広告営業に従事。その後、弁護士ドットコム株式会社にてフィールドセールス・インサイドセールス・営業推進に従事、スタートアップ企業を経て2019年にセールスリクエストを創業。

前提


今回は、1人目のインサイドセールスにアサインされた方が、生産性向上をテーマに"今すぐ取り組むべきこと"、"将来的に取り組むべきこと"についてまとめてみました。

立ち上げにフォーカスした内容になっておりますが、今まさにインサイドセールスに従事されている皆さまにもご活用いただける内容となっておりますので、自身の活動と照らし合わせながらお読みいただければと思います。

優先順位がつかず忙殺されていませんか?


1人目のインサイドセールスとして組織を立ち上げる場合、立ち上げ期はとにかく忙しくカオス状態です。お客様対応に集中しなければならないのに、業務設計、社内調整、場合によっては採用までをカバーし、日々業務に忙殺されることで営業のコアタイムを逃しているという状況は起きていませんか?

数ある業務の中で、立ち上げ初期に特に重要な取り組みを短期・中期に分けてお伝えをいたします。いずれも重要度は高いものの、取り組みの成果を感じることができるリードタイムに差があるため、以下の2つに分けて解説していきます。

1.今すぐに取り組むべきこと
・リードマネジメントの徹底
 ①有効/無効リード基準の決定
 ②ネクストアクション管理の徹底
 ③テクノロジーの活用

2.将来的に取り組むべきこと
④新たな販路の開拓
⑤採用、育成計画の策定

リードマネジメントの徹底


1人目インサイドセールスとして、まずは自身のパフォーマンスを最大化をしなければ組織を率いることはできません。パフォーマンス最大化に向けた取組みとして、リードマネジメントの徹底は欠かせません。リードマネジメントについては、CRM/SFAを活用することで解決できます。その中でもよりインパクトが大きい3つの施策を今回ご紹介します。

①有効/無効リード基準の決定


BtoBサービス(特にSaaS)は、アカウント課金など、利用する従業員数で費用が変わってきますので、大手企業を中心に1社あたり単価の高い企業や、自社にとって相性の良い(受注効率や継続率の高い)企業を中心にフォロー優先度を設定していくのが定石です。インサイドセールスが、この優先度を決めずにリード全件をフォローすると、生産性は低下し、本当にフォローすべき顧客への連絡に漏れや遅れが発生します。これは多くの支援実績から断言することができます。

これを防ぐためには規模・売上・業種などのセグメント別に有効/無効リード基準を作ることが必須です。また、CRM上でフラグ付けを行うことにより優先度を可視化することで、ハウスリード(自社が保有しているリード)からレポート作成を行う際、フラグがあることでフォロー優先度や個別カスタマイズしたメール送付が可能になります。有効/無効リードの基準を作ることは、リードマネジメントにおいての最重要プロセスだと言えます。

②ネクストアクション管理の徹底


2点目は、ネクストアクション管理の徹底です。見込み顧客に架電しても”今じゃない”という返答は多いと思います。検討確度の高い見込み顧客だけに集中するだけではなく、中長期でコミュニケーションを取ることで、最適なタイミングで多くの商談を創出できることこそ、インサイドセールスの成果が最大化した状態と言えます。

そんな時に行うのは"リードステータスの設定"と"ネクストアクションの設定"。リードステータスの設定について、今回は大きく取り上げませんが、汎用性の高い一覧を以下に記載いたしますので、参考にしてみてください。

・Dead(対応不要)
・新規リード
・未接触
・ナーチャリングMQL(ネクストアクション未定)
・ナーチャリングSQL(ネクストアクション確定)
・日程調整中
・取引開始済み

ネクストアクションにおいては、CRMのネクストアクション管理機能(日付・タスク等)を有効活用しましょう。Salesforceであれば”todo管理”、HubSpotであれば”タスク管理”という機能が該当します。ネクストアクションとして設定を行い、チャットへの通知・todoレポートの作成を行い、業務開始と同時に毎日チェックできる状況を作ることで、今すぐ顧客ではない見込み顧客への対応漏れを防ぐことができます。

人の脳は1度学習したことを1時間後には56%、1日後には74%を忘れるという調査結果があるくらいですので、仮に記憶から消えても問題がないような”仕組み”にしておくことが重要です。

③テクノロジーの活用


特に立ち上げ期はmテクノロジーでリソース不足を補うことが可能です。インサイドセールスお馴染みのテクノロジーといえばMAツールが代表的です。見込み顧客のアクションを元に通知設定をしたり、メールの自動配信を行うことで、サイトパワーによっては社員1人分以上の働きをしてくれる可能性を秘めています。
例えば特に有効なMAを活用した施策は下記の2点です。

・特定企業がサイト再訪問した時にチャットで通知が来る
・料金表/LPトップページの特定ページを再訪問した際に自動でメール配信を行う

このように、見込み顧客の特定アクションをトリガーにSlack通知・mailの自動化を設定することで適切なタイミングを見極めることができます。ハウスリストを眺めて闇雲なフォローをするのではなく、見込み顧客の動きを検知して、"適切な見込み顧客に、適切なタイミングでアプローチすること”が可能となります。

④新たな販路開拓を模索する


案件獲得をするための手段は、なにも直販だけではありません。特に販売パートナーや顧問、銀行や株主からの紹介など(以下、パートナー)を活用した販路開拓の可能性は言うまでもない重要施策です。パートナーからの紹介プログラムを作ることで、自社のマーケ施策ではリーチできない見込み顧客にリーチできる可能性を秘めているのが大きな魅力となります。

インサイドセールスとしては”取引したいが接点のない企業リスト”をCRMでリスト化しておき、それをパートナーに共有することで、パートナーのアクティブ化(見込み顧客を紹介してくれる状態への変化)を促進することができるので、まずはリスト化し、日々メンテナンスしておきましょう。

⑤採用・育成計画の策定


採用計画と育成・オンボーディング計画を立てることは、1人目インサイドセールスの重要業務といえます。採用や育成計画の策定は重要度が高い取り組みである一方で、中期的な取り組みとなるため同時平行で少しずつ進めていきましょう。

オンボーディングについては、最低でも下記のコンテンツの準備やルール設計を行うことで、立ち上げスピードを加速させることができます。

知識
・プロダクトやサービスの理解
・お客様の業界(業務)の理解
・自社の強み、競合比較の理解

オペレーション
・リード発生からフォロー、商談化のオペレーション設計
・リードの有効、無効条件の定義
・有効商談の定義
・履歴の残し方や情報管理の方法

ダッシュボード
・架電数などの行動可視化ダッシュボード
・漏れや遅れなどのアラートダッシュボード

最後に


今回は、1人目インサイドセールスが生産性を向上するために、取り組むべきことについてまとめてみました。マーケティングとフィールドセールスの橋渡しとなるインサイドセールスは、組織にとって重要な役割を担うことは間違いありません。

そんな重要ポジションを任せられるあなたには、大げさではなくチャンスしかありません。インサイドセールスの1人目として多くのことに取り組める状況だからこそ、様々なことにチャレンジしていただきたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。立ち上げで困っている誰かの参考になれば幸いです。

セールスリクエストは、BtoBマーケティングの効果検証を行うためのインサイドセールス代行事業を行っております。BtoBマーケティングにこれから投資していくタイミングだ、という企業様であれば、価値提供できると思います。ぜひお気軽にこちらからお問い合わせください。

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