42

月間100件の商談を創出!成果を出すための2つのポイント

井出 匠 | Smart Drive2023/11/17

本記事では、成果を出すインサイドセールスが「日々なにをしているのか」を株式会社スマートドライブの井出さんに解説いただきました。圧倒的な成果を出すインサイドセールスが何をしているのか、どこに注力しているのかに注目してお読みください。

井出 匠 株式会社スマートドライブ。大学卒業後、電材商社にて配送営業を経験しビルダー/工務店様の建設現場に従事し、横浜市の施設や住宅の建設事業に貢献。その後、通信事業者にてインサイドセールスを経験後、2021年にスマートドライブに参画しSmartdrive Fleetを中心にインサイドセールスを担当。

意識するのはタイムマネジメントとトークの質


インサイドセールスは細かい業務、創意工夫の積み重ねで成果につながると考えていますが、特に私が強く意識しているのは、大きく分けて以下の2点です。私自身、マネジメントを経験した際に「どうすればコンスタントに活動し、成果を出してもらえるか」を考えていました。その結果たどり着いたのが、以下の点です。

①タイムマネジメント
②トークの構成

事前情報


それぞれの説明に入る前に、日々の状況をお伝えした方がこのあとの内容をご理解いただきやすいと思いますので、まずは簡単に状況を共有させていただきます。

・市場開拓フェーズであるため、目標件数はSQL100件の設計 ※1
・逆算すると1日あたり5件の商談獲得が必要
・1日5件獲得のために日々の行動設計は70callで設定
・主要サービスは車両DXのSmartDrive Fleet ( https://smartdrive.co.jp/fleet/ )
・市場は社用車を利用している事業会社がメイン(建設・不動産・介護・インフラなど)
・提案先部門は総務部門/人事部門/経営層
・平均単価(ACV)は300-500万円
・初回契約の平均契約期間は39ヶ月
・機能よりもとにかく便益の提示が最重要

非常に高い目標を設定しており、またそれを達成するために1日あたり70callを設定しています。もちろんcall以外にもミーティングやリスト整理、その他のオペレーションもあるため、効率化だけではなく、精度の高いトーク力が求められています。

※1 SQLとは?
車両に関する課題が発見できておりSmartDriveで解決可能な可能性がある

①タイムマネジメント


1.タイムオペレーション


弊社は車両管理サービスの提供会社で、主に総務担当者への架電とSQL創出をミッションとしているため、着電しやすい時間での稼働出力最大化が出来るように行動設計しています。

着電しやすい時間帯は、Miitelアナリティクス※2 を活用して分析した結果、特にAM9〜11時の接続率が高く、かつ話を聞いてもらい易い時間帯であると判明しており、AMの行動比重を高めに設定しています。

特に、獲得を狙いたいリードやクイックにコール可能なリード(過去情報が少なく、活動履歴を読み込む必要が無い物)をAMの時間に重点的に架電するイメージで設計しています。

逆に午後は13時~18時(5時間)の時間を40callで設定し1時間あたりの必要コール数にゆとりを持たせて、過去商談の掘り起し(過去情報を読み込む必要があるもの)に架電し、仮説をしっかりと用意して架電するようにしています。インサイドセールスの方であればご理解いただけると思いますが、検討確度の高いリードを除けばその多くがCold call、つまり一般的なアウトバウンドコールと同じような架電になります。ですから、闇雲に架電するのではなく1社1社しっかりと状況の把握と仮説構築をするが必要となるのです。

このように接続率と時間あたりの架電をデジタルに設定し、1架電あたりの必要時間の多いものは午後、少ないものや確実に商談獲得を狙うものを午前に設定している。闇雲に架電するよりも圧倒的に成果がでることはもちろん、見込み顧客の予定(午前中は事務作業も多く、事務所にいるため会話するのに最適な時間)を加味することで、業務を阻害しないように設計しています。

※MiiTellアナリティクスとは?
株式会社RevCommの提供するIP電話、MiiTelの機能。

2.リードオペーレション


基本的に、リード流入からフォローコールまでの時間は短い方が着電率が高い、というデータは様々なところで示されていますが、弊社でも同様のことが言えます。

弊社ではその概念に加えて、資料のページ数によってタッチの時間を設定しています。例えば、端的でページ数の少ない資料は流入時に即タッチ(架電)する。理由は「シンプルでページ数が少ない資料はすぐに読み終わるから」です。

むしろ読み終わってから時間が経てば経つほど、見込み顧客の温度感は下がり、忘却曲線に従って知識が消えてしまうことで商談につながる確率も下がると考えていますので、シンプルでページ数が少ない資料はすぐにフォローコールを実施します。

逆に読み応えのある資料(ページ数が多いもの)の場合は、少し時間をあけてから架電します。すぐに架電すると「まだ資料を見ていない」「ちょうど読んでいたが読み終わっていない」という回答をもらうことになってしまうためです。お客様をしっかりイメージし、買い手にとってどんなタイミングが最適なのかをその目線にたって考えることができなければ、インサイドセールスとしての価値は低い考えていますし、最終的な成果にもつながりません。

一方でどんな場合も、必ず先方の戻り時間の把握やお電話できる時間の把握に繋げるべきで、これは高い着電率をキープするためはもちろん、何度も架電することで発生する、見込み顧客への不要なストレスを取り除く目的もあります。

②トークの質


要望/課題が出現した時から、打ち合わせ打診までの基本構成をご説明します。見込み顧客の課題を特定し、それに対する解決案を提示し、商談に参加するメリットに納得してもらうために、以下の構成を意識して会話することが重要です。

1.背景と現状確認


目的
背景を確認し、そもそもソリューションアンマッチ(自社の提案がお客様の課題解決につながらないこと)が無いか、弊社でメリット出せそうか確認する。質問を重ねて解像度をあげていく。

・きっかけ(背景)を確認(その要望が必要な背景は何か、検討は誰の指示か等)
・現状の運用方法を確認 
・どの程度困っているのか(具体的なダメージは、個人 or 企業として課題視しているか)

背景の確認は個人的にかなり重要だと考えています。目の前の方が個人的に困っていて検討を開始したのか、自身に課題感はないが経営層からの指示なのかによって状況はまったく違うものになります。また、「どの程度困っているか」のポイントは具体的なダメージです。BtoBの商材においては特に具体的な導入効果の立証が必要となります。検討を進めていくうえでも具体的になにが困っているのか、それによってどんなダメージが発生しているのか、ここを掘り下げていくことで検討確度は必然的に高まっていきます。

2.解決策の提示


目的
解決策の提示を通して興味を喚起する、便益があるということを先に認識していただくことでその後のヒアリングがスムーズになる。

・要望/背景に対しての解決策を頭出しする。担当者の方に課題解決に繋がるか簡単にフィードバックをもらう事をセットに実施すると、先方の考えも引き出せるので会話がしやすくなります。この提示が遅れるとお客様は「ゴールの見えない会話(ヒアリング)」に長く付き合うことになります。皆さんがお客様だとして、そんな会話を長く続けたいですか?きっと違うはずです。

・解決策に紐づく、具体的な事例を伝えて(定量効果があると尚良い)興味喚起します。上記内容にも重なる部分ですが、課題に対して最適な事例を紹介できれば「この会社であれば課題解消に向けて動いてくれそう」と思っていただけます。それによってスムーズなヒアリングを実施することができますし、具体的なイメージがあればお客様からの回答もさらに具体的になっていくので、会話の中で「いま話しながら思ったのですが...」と答えてくださることもあります。

3.打診


目的
日程は必ずこちらから打診する。その際、日程については具体的に提示する必要がある。

例)「◯月◯日の◯時、◯月◯日の◯時だと、どちらがご都合付きやすい等ございますでしょうか?
※日程を打診する場合は「ダブルバインド」を用いて日程候補を2つ提示することで選んでいただきやすくなる。

最近は日程調整ツールが主流になりつつありますが、お客様の状況に応じて使い分けるべきだと考えます。Googleカレンダーをすべてのお客様が使っているわけではありませんし、お客様の現状に意識を集中し、最適な日程調整方法を模索することで購買体験がよくなり、信頼にもつながります。最後まで買い手の目線を忘れずに、効率と両立することができる、そんなインサイドセールスを目指しています。

補足


課題の抽出について
お客様より課題や要望を引き出したい場合は、それぞれの状況に応じて質問を変えていきます。

A.事前情報が無い場合(アウトバウンド寄り):同業種で抱えている課題や相談受けた内容を提示して、担当者に所感をヒアリングする。

B.過去折衝情報が有る場合(過去商談済みetc):過去の検討経緯の確認をして、そもそも何故検討をしていたかの再確認をして今後はどうしていきたいかをヒアリングする。(本音を引き出したい。)

まとめ

・徹底したタイムマネジメントで高い着電率を実現する
・検討の背景や要望の背景を知ることが商談獲得への近道
・お客様の業務解像度を上げることで質問が鋭くなり信頼も獲得できる
・ここまで書いてきたころを確実に実践する


最後までお読みいただきありがとうございました。もしかしたら皆さんには当たり前の内容だったかもしれませんが、架電数1つとっても毎日達成するには気力も必要ですし、毎日続けるのはオペレーションも含めて至難の業です。しかし、現代はただの根性論ではなく、データ分析で導き出されたコールすべき時間帯や、様々なツールを活用することで、高度な実務実行が可能です。ぜひ楽しみながら取り組んでいただきたいと思います。

42

おすすめ記事

あなたの知識や成功/失敗体験を記事にしてみませんか?

Inside Sales Plusはより身近で実践的な情報を求めています。メール件名の工夫やトークの一部など、数百文字から記事にすることが可能です。ぜひお気軽にご応募ください。

記事寄稿

©︎2023 InsideSales Plus Inc.