買い手の購買プロセスの変化と対応する売り手の課題
購買プロセス全体の57%が営業担当者に会う前に終わっているという事実
出典:https://markezine.jp/article/detail/30171
この数字は、営業職に携わっていれば、どこかで、聞いた事があるかもしれません。この57%という数字から、その背景として読み取れる事は、以下の通りです。
①Webサイト、ウェビナー等の「非対面」での情報収集が主流になっている事
②オンラインで情報収集を進める顧客に対し「いかに早く接点を作れるか」が商談創出の鍵になる事
③顧客と対面する機会が少ない為、より意識的に「顧客理解」を深める必要性のある事
これらの状況を鑑み、営業組織は以下の3点を戦略の中心に据えていくことを推奨します。
①営業、マーケティング活動のオンライン化
→ デジタルマーケティングの更なる有効活用
②提案(商談)活動は、購買プロセスの後半に集中
→ ストーリー性(営業力)で差別化
③買い手の検討フェーズに合わせた適切なアプローチ
→ カスタマージャーニー営業で効率化
(※以下、参考図)
私の管掌している電子請求書事業の営業部門でまとめている<カスタマージャーニー>簡易版
営業側が顧客の検討フェーズに提案を合わせていく事が重要です。営業側が介在できる検討フェーズは、情報収集(の後半フェーズ)から、契約締結までの短い期間に限られる事になりますので、営業は顧客の購買プロセスがどのフェーズにあるか? を、正確に見極め、適切なアプローチを検討したり、訴求ポイントを工夫する事が求められています。
これから求められる 営業「活動」とは?
そして、上記に記載した状況を踏まえて、これからの営業に求められる「活動」のポイントについて、以下の3つにまとめています。(私が営業組織をマネジメントする上で、現在、方針として掲げている内容)
(1)デジタルマーケティングを更に活用
顧客の行動分析により、精度の高いリード情報を獲得する。また、複数チャネルからアプローチする事でリード創出を増やす。
(2)ストーリー営業で差別化(顧客からの信頼(≒自社や自分に興味を持ってもらう。))
顧客のあるべき姿とGAPを抑え、顧客の響きそうな近しい導入事例を提示しつつ、成功イメージを持っていただける営業活動を推進する。
(3)カスタマージャーニー営業で効率化
「該当業界→企業→人」の順序で顧客理解を進め、顧客の検討フェーズに合わせた提案を意識する。
適時、オンラインとオフライン(訪問)を使い分けて(ハイブリッド型のスタイルで)、顧客との距離感を詰めていく。
これからの活動における「問題」とその対策とは?
しかし、上記で述べた営業活動を進めていく上で、以下の様な問題発生が懸念されます。
①マーケティング技術の発展により、検討フェーズの低いリードの獲得も増え、ナーチャリングや営業手法が複雑化する。
②リード増加に伴い、(インサイドセールスも含め)総商談件数が増加する為、初回商談のクォリティ低下が起きる。
③商談件数が増加する事で、営業の商談前の事前準備等の作業負荷が高まる。
上記の問題に対して、解決すべき課題は、新規開拓における「案件化率」改善 であると捉えています。それは、先程の問題点でも述べましたが、検討フェーズの低いリードも含め、リード数が増加すると、商談数は増えるものの、「なかなか案件が育っていかない。」という事象が起きてくるからです。
要するに、「初回商談の質を如何にして、担保していくか?」
これが営業担当者、並びに営業組織が向き合うべき優先順位の高い課題であると考えます。
基本的に初回商談で顧客が期待している事は、営業担当者のクォリティの高さ、サービスに対して課題解決の可能性を感じられるか?自分達の予算内で収まる提案なのか?などが上げられると思います。その期待値を超える準備を商談前に行い、初回商談にのぞむ事が求められています。
(1) 顧客の抱える課題を正確に知る事(但し、初対面では、本音をなかなか教えて貰えない。)
(2) 課題を教えてもらう以前に、如何に顧客の信頼を獲得できる?(興味を持って貰えるか?)
初回商談のクォリティを上げるポイントはこの2つに絞られると思っています。そして、その信頼を獲得する上で、商談の「事前準備」が重要である事は、色々なところで議論されている事だと思いますが、<どこまで準備するか?の議論>所謂、その合格基準については、わかりやすく、この2つの基準を設ける事を推奨したいと思います。
(1)顧客の質問に速やかに回答できる事前準備
基本的に回答を持ち帰らないことを目標において、同業界、同エリア、同じ課題感、同じ規模感 の企業との商談内容をベースに想定問答を立ててその回答を準備しておく。
(2)顧客に合わせた活用(導入)事例の準備
事前情報から仮説を立てて、顧客が成功をイメージ出来る様な「ストーリー」を用意する。
最後に
そして、商談や提案においてストーリー性を持たせる為には、「顧客理解」への努力 に尽きると思います。営業であれば、「顧客は誰か?」という問いを常に考えていると思いますが、ターゲットは、「企業」でなく、あくまで「人」で捉える事が大切です。業界調査→企業調査で事前調査を止めない事です。実際に商談する「中の人」をイメージしながら、営業準備を進めます。
商談する相手は、決裁者なのか?稟議起案者(ミドルマネージャー)なのか?またまた、実際にサービスをご利用される方なのか?各ポジションや役職、そして、追いかけるmissionは異なりますので、課題や検討において優先事項を事前に予測しておく事が大切という事です。
当社のBtoBプラットフォーム業界チャネルをご利用いただく事で、業界理解、企業理解の手順を「型化」する事ができます。なので、より重要な「中の人」に関する情報収集に対して、時間を割く事が可能になります。
また、サービスコンセプトを簡単に説明いたしますと、営業部門やインサイドセールス部門の方々が、5分、10分の非常に短い時間で、企業情報に留まらず、対象業界の①市場成長率、②メインプレイヤー、③外部環境、④今後の展望 を把握する事が可能なリーズナブルなセールスツールです。
主要機能としては、大きく分けて以下の三つに分かれています。
1 業界を体系的に把握する「業界レポート」機能
2 業界のメインプレイヤーの業績を即座に確認出来る「企業ダッシュボード」機能
3 企業のリリース情報を瞬時にキャッチできる「ニュース収集」機能
昨今、「初回商談」のレベルを上げる事に課題を感じている営業組織は多いと思います。やはり、商談のクォリティ改善のポイントは、商談における「事前準備」です。まず、「事前準備」を行うターゲットを商談相手である「人」で捉える事、これこそが「顧客理解」の第一歩です。
要するに、業界調査→企業調査で、事前準備を止めない事です。また、多忙で時間のない営業の為にも、ある程度、事前準備の「型化」への取り組みは必要です。その様な際に、当社のBtoBプラットフォーム業界チャネルが、その一助となれば幸いです。さらに詳細な情報はこちらからご覧いただけます。