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素晴らしいイベントも、まず参加してもらわなきゃ始まらない!ウェビナー集客徹底ガイド

千葉貴史|Edge Works2025/1/27
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BtoB企業におけるウェビナー集客はますます重要な施策となっていますが、多くの企業が集客に苦戦しています。 本記事では、4年以上のウェビナー運営経験をもとに、集客成功のための具体的なノウハウや事例を紹介します。

Edge Works株式会社 代表取締役 。現職でスタートアップ企業で働く傍ら、前職4.5年間SaaS事業にてウェビナー100回以上(30~400名規模/回)、オンラインカンファレンス4回(900~1,000名規模/回)を行ってきた経験を活かして、「ウェビナーを開催したい!」「ウェビナーでリード・商談数を増やしたい!」という企業様向けに、個人としてご支援をさせていただいています。

はじめに


InsideSalesPlus をご覧の皆さん、はじめまして。Edge Worksの千葉です。BtoBにおけるウェビナー施策は、今や「当たり前」の存在になりつつあります。しかし、多くの企業が「集客」という課題に直面しているのが現状です。

実際、ネクプロ社が2024年2月に公開した「ウェビナーにおける実態調査」によると、ウェビナー単独集客の平均が30名以下の企業は全体の45%を占めています。ウェビナーの本質的な目的は集客そのものではありませんが、その目的を達成し続けるためには、安定した集客が必要不可欠です。

この記事では、私が4年以上にわたるウェビナー運営の経験をもとに、「ウェビナー集客」に特化したノウハウや事例をコンパクトにまとめてお届けします。この記事を最後までお読みいただいた際に、何かひとつでもヒントになる情報をお届けできれば幸いです。

なぜウェビナー集客が重要なのか


ウェビナーの最大の目的は「商談化」や「新規リードの創出」です。しかし、多くのウェビナー担当者が直面する課題は「集客」に関連するものです。リサピー社が2023年に公開した「BtoB企業のウェビナーに関する実態調査」を見てみましょう。

(出典)リサピー(https://ideatech.jp/posts/article-230421-b)


「Q6.あなたが企業でウェビナーを実施する際に、課題と感じることがあれば教えてください。(複数回答)」という質問に対し、「テーマ・内容」が​47%、「告知・集客」が36%、「参加率」が36%という結果が出ています。

継続的にウェビナーを開催するには、1位の「テーマ・内容」(ネタ切れが続くと厳しい)はもちろん、2位の「告知・集客」、3位の「参加率」など、リードや商談につながる以前の「前提条件」が課題になることが明らかです。

特に、リードや商談、受注への入口となる「集客」がうまくいかなければ、どれだけ素晴らしい内容のウェビナーであっても、期待した成果を上げることはできません。私も、ウェビナーを運用し始めた際は集客に苦労し、その難易度を痛感しました。つまり、ウェビナー施策の成功には、“集客設計”が鍵を握るのです。

ウェビナー集客の全体像と主要チャネル


ここからは具体的に、ウェビナー集客の全体像と主要チャネルについてお話しますが、結論としては「メール配信を制するものは、ウェビナー集客を制する」と考えています。

ウェビナー集客を成功させるための主要チャネルは以下の4つです。

  1. メール配信
  2. SNS告知
  3. イベント系プラットフォーム
  4. 広告運用

それぞれの特徴を以下で詳しく紹介します。


1. メール配信

ハウスリスト(≒メール配信可能なリスト)を活用したメール配信は、最も基本かつ王道の集客手法です。大きなコストが発生せず、効率的に集客できるチャネルといえます。たとえば、5,000〜10,000件のハウスリストを保有していれば、メール配信だけで大部分の集客が可能です。


ポイント

  • ハウスリストへのメール配信:最強・最優秀なチャネル。5,000〜10,000件のリストがあれば、メールで大部分の集客が可能。
  • 共催ウェビナーならリスト倍増:双方のリスト(例:各10,000件×2社)にアプローチ可能で、副次的なブランディング効果も期待できる。
  • メール配信の注意点:複数のウェビナー告知を1通にまとめず、「1通1テーマ」に絞ることが鉄則。


2. SNS告知

代表的なプラットフォームとして、X(旧Twitter)、Facebook、LinkedInなどがあります。SNSはBtoB企業においてターゲット属性の影響を大きく受けるため、効果的かどうかはターゲット層に依存します。

たとえば、営業・マーケティング系や生成AIといった新しいトレンドを追う層がターゲットであれば、SNS告知は比較的効果的です。一方で、成果が出にくいターゲットもあります。そのため、まずは自社のターゲットユーザーがどの程度SNSを活用しているのかを見極めることが重要です。

ポイント

  • 代表的なプラットフォーム:X(旧Twitter)、Facebook、LinkedInなど。
  • SNS活用度を確認:自社のターゲット層がどの程度SNSを利用しているかを把握することが重要。
  • 効果が期待できるターゲット:生成AIや営業・マーケティング分野など、新しいトレンドを追う層には比較的有効。


3. イベント系プラットフォーム

イベント系プラットフォームを活用する方法も効果的です。たとえば、Peatix(全般系)やTechPlay(IT系)、またはメディアが運営するウェビナー告知ページに掲載する方法があります。

ポイント

  • 代表的なプラットフォーム:Peatix(全般)、TechPlay(IT系)、各種メディアの告知ページなど。
  • メリット:知名度のあるメディアやターゲット層が頻繁に利用するプラットフォームに掲載すれば、一定の流入が期待できます。
  • 注目のトレンド:SNSコミュニティ(Slack、Discordなど)を活用する独自の集客チャネルの開拓も有効です。


4.広告運用

Meta広告(Facebook/Instagram)やリスティング広告は、ウェビナー集客においても利用される代表的な手法です。ただし、ウェビナーを通じて得られるリードが必ずしも自社製品やサービスに強い関心を持っているわけではないため、短期的なROIが厳しいケースもあります。

このような背景から、広告運用は短期的なROIが合わないと判断されるケースも少なくありません。広告予算に余裕がある場合や、大型オンラインカンファレンスを主催する場合には、テストとして導入する価値があります。


ポイント

  • 代表的な広告手法:Meta広告(Facebook/Instagram)、リスティング広告など。
  • 注意点:ウェビナー参加者が必ずしも高関心層とは限らないため、短期的なROIを求める場合は注意が必要です。
  • 活用場面:大規模オンラインカンファレンスを開催する際や、広告予算に余裕がある場合に検討すると良いでしょう。


メール配信の効果

以上の4点を比較しても、メール配信が最も効果的であることがわかると思います。
以下は具体的な効果シミュレーションです。

▼「ウェビナー実践ガイド」より:メール配信効果に関する効果シミュレーション


前提条件

  • 開催形式:単独開催 × 製品紹介型 × ウェビナー型
  • 事業内容:SaaS事業
  • ハウスリスト数:10,000件
  • メール配信回数:3回


ウェビナー目標数値(シミュレーション)

  • 申込者数:43名
  • (ハウスリスト10,000件 × 開封率15% × リンククリック率1% × 申込率95% × メール配信3回)
  • 参加率:70%
  • 参加者数:30名(申込者43名 × 参加率70%)
  • 商談化数:1~2件(参加者30名 × 商談化率5%)


集客メールのクリエイティブとスケジュール


メール集客が有効であることは、これまでの内容でご理解いただけたかと思います。ここからは、特に力を入れて取り組んできた「集客メール」のクリエイティブ(つまりメール文面)と、配信スケジュールの組み立て方について詳しくお話しします。

件名と送信元(From)の最適化

  • 件名の工夫
    • 開催日時や数字を冒頭に入れる。
    • すみかっこ(【】)や絵文字を使用し、目立たせる。
    • 10〜15文字程度で目を引く文言を入れることで、開封率が向上します。
  • 送信元(From)の工夫
    • 「Edge Works千葉」や「千葉 貴史(Edge Works)」のように個人名+会社名の形式にすると、定型メルマガ感が薄れ、開封率が1〜3%上がる場合があります。


メール改善の実例(Before → After)

  • 件名

Before 「【ウェビナー案内】◯◯のお知らせ」

After 「【12/8(木)14:00〜】売上30%UPの最新事例セミナー」

結果 開封率10%台前半 → 15〜20%台に向上


  • 送信元(From)

Before: 「ウェビナー事務局(株式会社○○)」

After: 「田中(○○社)ウェビナー担当」

結果: 開封率が数%アップ


本文構成とCTAボタン配置
本文構成のポイント

  • 冒頭で「いつ・どんなメリットがあるのか」を伝える
    • 「12/15(木)14:00〜15:00開催」「AI×営業効率化をテーマに最新事例を紹介」など、バナーや冒頭テキストでわかりやすく提示します。
  • 登壇者情報と議題の簡潔な紹介
    • 登壇者の専門性や権威性を記載することで「聞いてみたい!」と思ってもらえます。
    • 営業担当が登壇する場合は、製品紹介型ウェビナー現場ノウハウ共有型ウェビナーかを明確にすることが重要です。


CTAボタン配置のポイント

  • 冒頭・中盤・文末に計2〜3箇所配置し、リンクのクリックポイントを増やします。
  • 1通1ウェビナーに絞ることで、読者の迷いをなくします。


本文構成とCTAボタン配置の参考イメージ



メール改善の実例(Before → After)

  • CTA配置

Before ボタン1つだけ

After 冒頭・中盤・文末の計3か所に配置し、目立つ色を採用

結果 クリック率が0.1%台 → 0.3〜0.5%台に向上


配信スケジュール

  • 4回配信が基本
    • 2週間前、1週間前、2日前、当日朝

※3週間以上前に告知を開始しても忘れられやすいため、2週間前からスタートするのが効果的です。

  • 曜日・時間帯
    • 火〜木の朝8〜9時台は、開封率が安定しやすい傾向があります。
    • ターゲットによっては、夕方〜夜が良い場合もあるため、ABテストを活用して最適な時間帯を見つけましょう。


LP(ランディングページ)の最適化


無料ウェビナーであれば、Zoomやウェビナー配信システムのデフォルトLPでも十分機能する場合が多いです。ただし、最低限以下のポイントを意識しましょう。


ファーストビューの工夫
タイトル、日時、申し込みボタンがすぐ目に入るレイアウトにする。


参加メリットの明示
「どんな人が得をする内容か」を明確にし、ターゲットを絞った記載にする。


フォーム項目の簡略化
名前、会社名、メールアドレス、電話番号程度に絞り、入力の手間を減らす。


手軽さの強調
「参加無料」「オンライン(Zoom)」といったポイントを大きめの文字で表示し、手軽さを伝えることで申込率を向上させる。

イベントタイトル・登壇者の見せ方で差をつける


ウェビナーの魅力を最大限に伝えるためには、イベントタイトルや登壇者の情報を工夫することが重要です。以下のポイントを押さえましょう

 数字を活用して具体性を出す
「30%UP」「事例5選」など、具体的な数字をタイトルに盛り込むと、興味を引きやすくなります。


登壇者の専門性を強調
テーマに関連する専門性や権威性を明確に伝えましょう。

例: AI関連テーマ → エンジニアやコンサルタント

営業ノウハウ → 現場リーダーや営業コンサルタント

「リアルな話が聞けそう」と感じられる人材を登壇させることで、参加者の期待を高めます。

実践することで出た成果と事例


ここでは、私が携わった(支援先を含む)ウェビナー集客事例を3つご紹介します。


事例①:4社共催ウェビナーで商談獲得率5%を達成

開催形式:4社共催ウェビナー(主催企業の支援)
実績概要

  • 集客申込:280名(1社平均70名
  • 参加実績:190名(参加率70%)
  • 商談獲得:10件(獲得率5%

実施施策

  • メール配信:各社5,000~10,000件のハウスリストを活用し、2~3回配信
  • SNS告知:X(旧Twitter)やFacebookでの投稿
  • バナー画像作成:Canvaを活用
  • LP作成:Zoom標準申込ページを使用


事例②:メール・SNS施策で75%の高参加率をマーク

開催形式:4社共催ウェビナー(主催企業の支援)
実績概要

  • 集客申込:290名(1社平均70名
  • 参加実績:220名(参加率75%)
  • 商談獲得:15件(獲得率7%


実施施策

  • メール配信:1社あたり5,000~10,000件のリストを活用し、2~3回配信
  • SNS告知:X、Facebookで告知
  • バナー画像作成:Canvaを活用
  • LP作成:Zoom標準申込ページを使用


事例③ 9社共催オンラインカンファレンス、大手企業から受注獲得

開催形式:9社共催オンラインカンファレンス(主催企業の支援)
実績概要

  • 集客申込:1,000名(1社平均111名
  • 参加実績:750名(参加率75%)
  • 商談獲得:10件(獲得率1.3%)※大手企業リード獲得 → 受注1件


実施施策

  • メール配信:1社あたり1,000~10,000件のリストを使用し、3回以上配信
  • SNS告知:X、Facebookで展開
  • Meta広告:20~30万円の広告費を投入
  • プレスリリース:広報活動も実施
  • バナー画像作成:Canvaを活用
  • LP作成:STUDIOやZoom標準申込ページを活用


これらの事例から、メール配信を軸にした集客施策が高い効果を発揮することが分かります。また、共催型だけでなく、自社単独のウェビナーにおいても、以下のポイントを意識すれば100~400名規模の集客が可能です。


  • ターゲットに合わせたメールの文面・配信タイミングの最適化
  • SNSや広告を併用した多面的な告知
  • 手軽さを強調したランディングページ作成


もう一度言います。

画像制作のヒント:バナー画像が苦手ならCanvaがおすすめ


ウェビナー集客で意外と重要なのが「バナー画像のデザイン」とウェビナーコンテンツとなるスライドデザインです。

Canvaなどのオンラインデザインツールを使えば、無料テンプレに文字を入れるだけでも、それっぽいビジュアルが簡単に作れます。また、売れているビジネス書の表紙や人気YouTuberのサムネイルを参考に、数字や文字を大きく入れると目を引きやすいです。

以下に、参考となるCanvaのスライドテンプレートを引用いたします。


https://www.canva.com/ja_jp/templates/EAGVsIr6cMY/



https://www.canva.com/ja_jp/templates/EAD4Ce41AOs/




https://www.canva.com/templates/EAFKyd8mlRk-modern-online-webinar-presentation/

まとめ

  1. メール配信を制する者がウェビナー集客を制する(リストがあるなら最優先)。
  2. 件名・送信元・CTAボタン配置を意識するだけで、開封率・クリック率が激変。
  3. 配信スケジュールは2週間前~当日朝まで4回をベースに、曜日・時間を工夫する。
  4. LPは凝りすぎなくてOK。必要最低限の項目に絞り、申し込みやすい設計に。
  5. タイトルに数字を入れ、登壇者の専門性をアピールする。
  6. バナーはCanvaなどを活用し、視覚的訴求を忘れずに。
  7. 共催ウェビナーやイベントプラットフォーム、SNS告知もターゲット次第では効果絶大。
  8. 広告運用はROIを見極めて。大型オンラインイベントなら検討の価値あり。


最後に:ウェビナー集客チェックシート(特典)


最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。ここまでお読みくださったあなたに向けて、特別な特典「ウェビナー集客チェックシート」をプレゼントいたします。この記事の内容を網羅的にまとめていますので、1つずつできることから徹底的に、ぜひ活用して、ウェビナー集客を成功させてください。

【IS₊読者限定】ウェビナー集客チェックシート20250111

▼特典の使用方法:「ダウンロード」or「コピペ」してご利用ください。


集客数が改善できたという方はDMなどでその成果を教えていただけると嬉しいです。

ウェビナー集客は、ちょっとした改善ですぐ効果が出る“やりがい”のある施策です。メールやバナーの作り方を工夫するだけでも数字が変わるので、まずは一歩ずつ試してみてください。

「もっとこういう施策をやりたい」「共催ウェビナーの進め方を相談したい」といった場合は、いつでもお気軽にご連絡ください。一緒にウェビナー施策を盛り上げていきましょう!

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