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あなたはお客様のリードがどうやって生まれたのか、本当に知っていますか?

小池桃太郎 | OPTEMO2024/1/10
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本記事ではインサイドセールスが知っておくべきWebサイトのポイントを解説していきます。なぜその必要があるのか、その情報をどう活用するのかなど、かなり具体的に踏み込んで行きたいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。特にインバウンドリードの多い企業の方や、インサイドセールスからマーケティング部門への異動を希望する方などは必見の内容です。

小池桃太郎 株式会社OPTEMO 代表取締役。東京大学を卒業後、新卒でシャープ株式会社に入社しエンジニア・商品企画を経て、新規事業プロジェクトのリーダーを経験。株式会社船井総合研究所へ転職後、約100社の経営コンサルティングを経験。その後、現在の株式会社OPTEMOを創業し、代表取締役に就任。インサイドセールス向けWEB接客ツールOPTEMO(オプテモ)を提供。

インサイドセールスは意外と自社のWEBサイトを知らない


インサイドセールスとしての業務を行っていると、自社のWEBサイトの実際の状況やパフォーマンスについて意外と知る機会が無かったりします。問い合わせなどのインバウンドリードに対応していても、そのリードの情報は調べる一方で、「その人がどういった興味を持って問い合わせてきたか(≒WEBサイトをどのように見ていたか)」はあまり深く見る機会がないこともあります。(Hubspotなどのアクティビティ情報は見ることはあると思います。)

さらに、WEBサイト自体のコンテンツや情報はマーケティング部門が担当していることもあり、「自社のWEBサイトにどういったコンテンツがあるか」や「WEBサイト訪問者がどういった情報を見ているか」などは意識しないと見る機会がないこともあります。(マーケティング部門とインサイドセールスが密にコミュニケーションを取っている企業もありますが、意外と「WEBページのコンテンツ」は話していないこともあります。)

しかし、インサイドセールスが自社のWEBサイトについて理解を深めることはポジティブだと思っています。それは、WEBサイトは顧客との最初の接点となり、ビジネスにとって重要な役割を果たしてるからです。

そこで本記事では、「GA4(Googleアナリティクス4)って見たことないな」や「GA4は触ったことない」という方向けに「インサイドセールスとして知っておきたいGA4の使い方」を解説していきます。(マーケティング部門はもっと細かく分析していますが、インサイドセールスとしては「正確に細かく分析する」よりも「ざっくりでも理解できるようになる」が重要だという意図の元、多少デフォルメしている箇所があります。)

また、本記事を通して自社のWEBサイトに興味を持っていただくきっかけになると嬉しいです。

インサイドセールスがWEBサイトのパフォーマンスを知るメリット


インサイドセールスが自社のWEBサイトのパフォーマンスを知ることには、いくつかの重要なメリットがあります。


新規リードの行動を理解する


WEBサイトのアナリティクスデータを把握することにより、インサイドセールスはお客様の行動パターンやニーズをより深く理解することができます。どのページが最も訪問されているのか、どのコンテンツが人気なのか、どのような検索キーワードで訪れる顧客が多いのかなどの情報は、効果的な営業活動に役立ちます。

例えばGA4のデータを見ることでわかるよくあるケースは「広告経由のリードって、実はあまり自社のWEBサイトを見ていないで問い合わせているな」です。

しかし、「WEBサイトからのインバウンド」と一括りにしてしまうと、WEBサイトのコンテンツを見ている前提で話してしまうため、コミュニケーションにズレが生じてしまいます。

逆に、WEBサイトをじっくり見ていた人に対して「サービスなどをゼロから説明する」や「お客様の興味を無視してヒアリングする」を行ってしまうと、お客様としては煩わしくなることもあり得ます。(手練れの方々はコミュニケーションがズレることはないと思いますが、WEBサイトのリアルな実態を是非知っていただければと思います!)


マーケとコミュニケーションしやすくなる


WEBサイトのデータを分析して「WEBサイトの実態」がわかると、マーケティング部門とインサイドセールスがコミュニケーションしやすくなります。例えば、「広告経由は商談化率が低い」などのフィードバックだけでなく、「3ページ以上見てから問い合わせたリードは商談転換率が高い」や、「広告経由のホワイトペーパーDLは、通電してもヒアリングしにくいが、セミナー誘導すると見ている」といったコミュニケーションができます。

結果的に、マーケティング部門とインサイドセールスが一緒に施策を始めやすくなるため、個人的におススメです。「すごいな」と尊敬している企業のインサイドセールスの方々は、マーケとの連携が密であることも多く、マーケとコミュニケーションを取りやすくするための1つの方法として、GA4を上手く使っていただけると嬉しいです。

インサイドセールスが知っておきたいWEBサイトのKPI


インサイドセールスがWEBサイトのパフォーマンスを測るために知っておきたいKPIをいくつか紹介します。WEB解析でのKPIも重要ですが、まずは下記を知ることを目標として共有します。

  1. ざっくりWEBサイトの全体像を知る
  2. WEBサイトってどこのページが見られていることが多い?
  3. 流入元(自然検索や広告)ごとにどのくらいWEBサイトに滞在している?
  4. 問い合わせの前にどのページを見ている?
  5. このリードはどうやってWEBページを見ていた?


詳細は「ゼロから始めるGA4の見方」のセクションで、上記をそれぞれ見る方法を記載します。


ざっくりWEBサイトの全体像を知る


ざっくりWEBサイトの全体像を知ると、マーケの方々が日々努力している全体像を把握することができます。主にとらえておきたいKPIは下記となります。

  • ユーザー数(何人くらいWEBサイトに来ている?)
  • ユーザーあたりのビュー(何ページくらい見られている?)
  • 平均エンゲージメント時間(何秒くらいWEBサイト見ている?)


色々な項目が他にもありますが、あくまでインサイドセールスとして知っておきたいKPIをピックアップしています。(また、厳密には意味が違う箇所もありますが、イメージしやすいようにデフォルメしています。)


WEBサイトってどこのページが見られていることが多い?


WEBサイトからのインバウンドリードの全体的な傾向として、「どこのページを見ていることが多いのか?」を知ると、お客様ともコミュニケーションしやすくなります。例えば、「うちは事例ページが多いから、温度感の高い人は事例を見ている」と自負していても、実際は「WEBサイト訪問者はほとんど事例ページを見ていない」ということもよくあります。


流入元(自然検索や広告)ごとにどのくらいWEBサイトに滞在している?


WEBサイトは流入元によって、WEBサイト上での動きに大きな差があります。よくある傾向は「自然検索は滞在時間が長めで、広告は短い」です。流入元には様々な種類がありますが、主な経路としては下記があります。

・自然検索:GoogleやYahoo!、Bingなどで検索し、SEO経由
・リスティング広告:検索エンジンで検索した時に上や下の方に出てくる広告経由
・ディスプレイ広告:別のWEBページを見ている時に出てくる広告枠経由
・SNSのリファラル:SNSでの投稿からリンクをクリックして流入したケース
・SNS広告:facebook広告やTwitter広告経由
・メール:メルマガなどのメールのリンクをクリックしたケース

自社のWEBサイトはどういった経路でWEBサイトを見ている人が多いのかを確認すると、「新規リードの温度感」も計りやすくなります。


問い合わせの前にどのページを見ている?


問い合わせフォームや資料請求フォームで入力する”前”にどこを見ていたかを知ることで、「何を見て問い合わせしようと思ったか」を推しはかることができます。問い合わせをしようと思うキッカケとなったコンテンツを知ることができれば、コミュニケーションも滑らかになりやすく、ニーズを先回りして対応することもできます。


このリードはどうやってWEBページを見ていた?


GA4などの分析ツールは「森を見る」ツールとなるため、全体的な傾向がわかります。一方で、インサイドセールスとしては「今来たこのリードがどんな興味を持っていたか」を知りたいため「木を見る」ことがポイントだったりします。GA4で見るには少し工夫が必要になる部分もあるため、別のツールなどを使うと「今流入した新規リードがどうWEBページを見ていたか」を動画で振り返ることができます。

ゼロから始めるGA4の見方


WEBサイトの解析にはさまざまなツールがありますが、GA4は非常に強力なツールです。GA4を使用することで、インサイドセールスはWEBサイトのデータを綿密に分析し、貴重な洞察を得ることができます。ここではGA4の基本的な使い方について、ご紹介します。(GA4なんて使ったことがない!という方向けになるため、既にGA4を使っている方は同僚の方へご共有いただけると嬉しいです。)


まずアカウント権限をもらう


自社のWEBサイトに入っているGA4の閲覧権限がないと、GA4に入ることができません。マーケティング部門の方へ「GA4の閲覧権限をお願いします!」とご連絡いただければ、権限を追加いただくことができます。権限にはいくつか種類がありますが、マーケティング部門が色々設定も行っているため、閲覧者権限で十分だったりします。(データを壊したりする心配も少なくなるため、閲覧権限が安心かなと思います。)




基本的な画面の見方


GA4に入ると、左側にアイコンが4つ並んでおり、「ホーム、レポート、探索、広告」がありますが、今回は「レポート」と「探索」の2つを使います。レポートは「色々な切り口でパフォーマンスを見る」であり、レポートは「もっと細かく見たい項目だけでデータを見る」という位置づけだと思っていただければと思います。

 

「ざっくりWEBサイトの全体像を知る」の見方


「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」とクリックすると、画像のような表示が出てきます。上にグラフがありますが、下の方にある表で”ざっくりWEBサイトの全体像を知る”ための情報があります。
 


下記3つの指標は下記の画像の赤枠の箇所に表示されています。期間は右上にある赤枠をクリックすると、対象期間を変えることもできます(デフォルトは大体過去28日間になっています)

  • ユーザー数(何人くらいWEBサイトに来ている?)
  • ユーザーあたりのビュー(何ページくらい見られている?)
  • 平均エンゲージメント時間(何秒くらいWEBサイト見ている?)


 
この3つの指標によって、「うちのWEBサイトには1か月で何人が来ていて、何ページくらい見た上で、何秒くらいいるのかな?」を把握することができます。

また、対象期間を変えてみると、「マーケが頑張ってくれているおかげでアクセスが増えている」や「WEBサイトへの滞在時間が伸びていて、コンテンツを読んでくれるようになってきている」などの傾向も把握することができます。
もし1年前よりも「新規リードへヒアリングすると、サービスへの理解が深くなってきているなぁ」と感じていたら、もしかするとエンゲージメント時間が伸びているかもしれません。


「WEBサイトってどこのページが見られていることが多い?」の見方


下の方にスクロールすると、各ページごとのKPIも確認することができます。サービスサイトの場合、トップページである「/」が一位になっていることが多いですが、オウンドメディアの場合は人気のページが上位に来ているかと思います。

各々の数字を見ると、「記事ページは滞在時間が長い」や「トップページは滞在時間が短い(or長い)」といった傾向も確認できるかと思います。「ユーザー」をクリックして並べ替えると、「WEBサイト訪問者がどこを見ている傾向か」を確認することができます。表の少し上にある「検索」と書いてある「虫眼鏡マーク」でフィルタをかけることもできます。

一覧になくても、事例のページや機能のページがどのくらい見られているかを確認することもできます。

 

「流入元(自然検索や広告)ごとにどのくらいWEBサイトに滞在している?」の見方


続いて、「レポート」→「ライフサイクル」→「集客」→「トラフィック獲得」と進むと、「流入元別にどのくらいWEBサイトに滞在しているか」がわかります。


少し下にスクロールすると表があり、その表の項目に「どこからWEBサイトへ来たか」が記載されています。主な意味は下記となります。


  • Organic Search:Googleなどの検索エンジンでの自然検索
  • Paid Search:検索エンジンで検索した時の広告経由
  • Display:ディスプレイ広告(別のサイトに表示される広告枠)
  • Email:メルマガやメールのリンクをクリック
  • Direct:ブックマークやURLを直打ち
  • Referral:別のWEBサイトからリンクをクリック
  • Cross-network:広告の一部(Google広告のP-MAXなど)
  • Organic Social:SNSの投稿経由
  • Paid Other:その他の広告
  • Unassigned:分類できないもの


全てを覚える必要はないと思いますが、自社のWEBサイトがどういった経緯で見られることになったのかを確認することができます。

余談ですが、表の見出しにある「セッションのデフォルトチャネルグループ」をクリックして、「セッションの参照元/メディア」を見ると、もう少し細かく見ることができます。
見てみると意外と面白いので、是非見ていただけると嬉しいです。(メルマガ経由でこのくらい流入あるのか!ということが見えるかと思います。)



 

「問い合わせの前にどのページを見ている?」の見方


問い合わせの前にどのページを見ているかを知るためには、「レポート」→「経路データ探索」をクリックします。


次に表示された右上にある「最初からやり直す」をクリックします。


右にある「終点」と書かれている点線で囲われている箇所をクリックします。


「ページパスとスクリーンクラス」を選択します。その他の項目をクリックしても可能ですが、URL(ページパス)がわかりやすいです。


虫眼鏡マークをクリックします。


検索欄に自社のWEBサイトのサンクスページのURLを入力します。わからない場合は、マーケティング部門の方にご確認下さい多くの企業では「thanks」や「thank」、「done」などが含まれているため、これらのキーワードを入れても検索に出てくることがあります。

検索結果からサンクスページのURLを選択します。


表示された青い箇所をクリックすると、その前にどこのページを見ていたかがわかります。
また、さらに青い箇所をクリックすると、順次「その前」、「その前の前」と確認することができます。


上記手順にて見ていただくと、問い合わせが完了する前にどこのページを見ていたかがわかります。例えば「問い合わせの前に機能Aのページを見ている人が多いな」等がわかると、その機能(≒ニーズ)が問い合わせとして多いことがわかります。

参考として、「問い合わせするお客様がどの導線でWEBサイトへ来ているか」もご紹介します。SEOなどの自然検索、広告経由、SNS経由などどの導線でインバウンドリードが発生しているかを確認することができます。「レポート」→「エンゲージメント」→「コンバージョン」をクリックします。

すると表が表示されますので、表の見出しにある「+」ボタンをクリックします。


「+」ボタンを押して表示された場所から「トラフィックソース」→「セッションの参照元/メディア」を選択します。※似ている表現のものが多いため、ご注意下さい。


表の中に「google/organic」や「t.co / referral」等が確認できます。どんなコンバージョンであるかによって分類されている(はず)だと思いますので、問い合わせ、資料ダウンロードなどがどの導線によって発生しているかを確認することができます。

「t.co」はTwitter、「google」や「yahoo」はそれぞれGoogle、Yahoo経由となります。「/」移行の「organic」はSEOなどの自然検索、「referral」はリンクで飛んで来たという意味になります。

自社のWEBサイトがどのようにしてコンバージョンしているかによって、コミュニケーションを分けることができるため、是非参考としてご確認いただけると嬉しいです。


「このリードはどうやってWEBページを見ていた?」の見方


マーケティング部門としては「WEBサイト全体としてのパフォーマンス」が重要となりますが、インサイドセールスとしては「今から架電するこの人はどういったWEBアクセスをしていたか」が重要になります。

そこで、「このリードはどうやってWEBページを見ていたか」を確認する方法もご紹介します。GA4では色々とゴリゴリ設定しないといけないため、参考としてOPTEMOのリプレイ機能を紹介させて下さい。(一部宣伝が入りますがご容赦ください)

OPTEMOでは、WEBサイトの全アクセスを動画で振り返ることができます。MAツール(Hubspot、Marketo、Pardot)と連携すると、「自社が保有しているリード」がどのようにWEBサイトを見ていたかを動画で確認することができます。

また、「インバウンドリードが発生したらOPTEMOから通知でお知らせする」ができるため、今来た新規リードがWEBサイトをどう見ていていたかを動画で確認することができます。


動画でビジュアルとしてサッと見ることによって、今から架電する相手が何を見ていたかを確認しながらコミュニケーションができるようになります。

まとめ:WEBサイトからのインバウンドのリアルな温度感を測る


WEBサイトからのインバウンドのリアルな温度感を測ることは、インサイドセールスにとってお客様とコミュニケーションしやすくなるだけではなく、最適な購買体験を提供するうえでもともて重要なことだと考えています。その前提で、インバウンドのリアルな温度感を把握することは、顧客の関心度やニーズを正確に把握し、効果的なフォローアップや営業活動につながるため、商談獲得率の向上につながるのです。

そういった意味でも、インバウンドのリアルな温度感を測るためには、WEBサイトのデータ分析は非常に有用なのですが、インサイドセールスの方々は意外とWEBサイトを見る機会がないと思います。通常業務で忙しいとは思いますが、時間をつくってWEBサイトのリアルを見てみると、様々な発見があります。我々もまだまだですが、これをきっかけに自社サイトの深い部分まで興味を持ち、レベルの高いインサイドセールスを目指していただければと思います。

また、WEBサイト上で回遊しているお客様とコミュニケーションし、問い合わせフォームへの入力を待たずに商談獲得する方法が気になった方はぜひこちらからお問い合わせください。

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