「クリック者への架電」、本当に効果を最大化できていますか?
インサイドセールスの重要なミッションである商談獲得。その手法の一つとして、「メールのクリック者への架電」は多くの企業で実践されています。
しかし、こんなお悩みはありませんか?
「クリックしてくれた人に電話をかけても、なかなか商談につながらない…」
「『とりあえず情報収集で…』と言われてしまい、会話が弾まない…」
それもそのはず、単に「リンクをクリックしたユーザー」が、必ずしも「温度感の高いユーザー」とは限りません。習慣的にメール内のリンクをチェックする方や、今は検討段階にない方も多く含まれるためです。
もちろん、全く接点のないリストに架電するよりは効率的です。しかし私たちは、「もっと効率的に、そして効果的に商談へつなげる方法があるはずだ」と考え、アプローチ方法の改善に取り組みました。
仮説:「久しぶりのクリック」は、再検討のサインではないか?
BtoBサービスの場合、お客様が初回の情報収集から導入決定までに、数ヶ月〜数年という長い時間を要することも珍しくありません。
一度は「今は必要ない」と見送られても、お客様の状況は常に変化します。例えば、現在利用しているツールの契約更新や、社内体制の変更といったタイミングで、突如として再検討が始まるのです。
この「再検討の波」の頂点を捉えてアプローチできれば、お客様にとっても「ちょうど良いタイミングで連絡をくれた」と喜ばれる理想的な関係が築けます。
とはいえ、そのタイミングを外部から知ることは非常に困難です。そこで私たちは、定期的に配信しているメールへの反応こそが、お客様の状況変化を知る重要なサインになると考えました。
そして、次のような仮説を立てたのです。
「いつもは反応がないのに、今回久しぶりにクリックした人」こそ、再検討を始めた可能性が最も高いのではないか?
この仮説に基づき、アプローチ対象を絞り込む施策を試みました。
実践方法:「お久しぶりクリック」を検知する2つのリスト
この「お久しぶりクリック」施策の手順は、いたってシンプルです。
まず、以下の2つの条件でリストを分類します。
- 配信リスト①: 直近10回のメール配信で、1回以上クリックしたユーザー(=定常的な情報収集者)
- 配信リスト②: 直近10回のメール配信で、一度もクリックがないユーザー(=普段は反応がない層)
そして、この2つのリストに、同じ内容のお役立ち情報メールを配信します。
今回、配配メールBridgeの「ホットリード抽出機能」を利用しました。もちろん、過去の行動履歴に基づいてリストを分類できれば、他の配信ツールでも実践可能です。
この施策で重要なのは、架電対象をリスト②のクリック者に限定することです。
- リスト①でクリックがあっても、積極的なアクションは起こしません。(継続的な情報接点と捉えます)
- リスト②でクリックがあった場合のみ、「お久しぶりクリック」と判断。お電話やメールでアプローチし、ご状況の変化をヒアリングした上で商談につなげます。
ちなみに、リスト①にも配信を続けるのは、普段は反応がない層がいつ「お久しぶりクリック」ユーザーに変わるか分からないため、継続的な情報提供で接点を持ち続けることが重要だからです。
結果:商談化率に「約2倍」の差が生まれた!
この施策を複数回実施した結果、クリック者の商談化率に明確な差が現れました。
- ① 定期的なクリック者: 商談化率 1.8%
- ② 久しぶりのクリック者: 商談化率 3.3%
ご覧の通り、「久しぶりにクリックした人」へアプローチした方が、商談につながる確率が約2倍になるという結果になりました。
この事実は、「久しぶりのクリック」という行動の裏には、何かしらの検討再開のきっかけが隠されている可能性が高い、という仮説を裏付けるものです。
もし、あなたがメールのクリック者への架電で手応えを感じられていないのであれば、ぜひこの「久しぶりにクリックした人」に絞ったアプローチを試してみてください。
最後に
私たち配配メールは、日々の実践から生まれた「使える」メールマーケティングのノウハウを、これからも発信してまいります。
今回ご紹介した「お久しぶりクリック」の考え方が、皆様の活動のヒントになれば幸いです。大切なのは、まず試してみること。ぜひ次回の架電リスト作成の際に、この視点を取り入れてみてください。
もし、この記事でご紹介したような「行動データに基づいたアプローチ」を、さらに効率的に実践する方法にご興味があれば、配配メールがお手伝いできるかもしれません。
機能に関する資料などもご用意しておりますので、お気軽にお問合せください。