結論
結論からお伝えすると、録音データを毎日聞くことです。もちろん聞いたことがある方はいると思いますが、重要なのは「聞き続けているか」ということです。現在では様々なツールの普及によって、通話の録音は多くの企業で可能になっていると思います。もしそういったツールや設備がない場合はツールを検討しても良いと思いますし(投資として決して悪くありません)、それでもすぐには導入が難しい、という方には後半でそのやり方について解説していきます。
この結論に至った背景は私自身の経験によるものです。Salesforce社では録音機能がなく、モニタリングといって実際に架電しているメンバーの横に座り、ヘッドセットを分岐してリアルタイムで聞いていました。※通話以外にもPCの使い方なども見るのですがそれは別の記事「メンバーサポートの答えは“精神と時の部屋”」で詳細にご説明します。
そして現職ではMiiTelを導入することで通話データの共有が非常に簡単になり、今回ご紹介するような運用が可能になりました。
また、個人的な取り組みとして10社以上の企業に対し、インサイドセールス覆面調査を実施していたことがあります。これは、事前にその企業から委託を受け、オペレーションなどを確認した上で架空の企業のWebsiteを立ち上げ、そこからリードを登録し、架電を受けて分析、評価をするものです。
その際に実際に見ていたポイントは以下の通りです。
・リード流入からファーストアクションまでの時間(自動返信を除く)
・ファーストアクションの内容
・接続するまでのアクション回数とその内容
・通話の品質(速度や抑揚、キーワードなど)
・通話のレベル(専門性や競合の情報、事例などの知識)
・クロージングまでの流れ
・クロージング後のフォロー
・全体のオペレーションレベル
こういった取り組みを複数していく中で見えたことは、事前のイメージと実際の現場には乖離があるということです。それは単に「想定よりもレベルが低かった」ということではなく、トレーニングもオペレーションも理想像をベースに設計され、マネジメント陣はそこが期待値となってしまうからです。
インサイドセールス個人としての課題は「自分が課題だと思った部分しか課題として相談できない」という構造的な問題、そして「弱点はひとには見せづらい」という精神的な問題です。これを解決するには実際の声を聞く必要があります。
実際の乖離ポイント