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これからのインサイドセールスの新たな形 “The Model 2.0”

向山 泰貴 | Doorkel2024/7/28

本記事では、これまで多くのIT企業、スタートアップベンチャーから大手企業まで浸透した”The Model型”の組織体制、事業運営の手法にAIを加えた手法である”The Model 2.0”について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

向山 泰貴(むこやま たいき)株式会社Doorkel 取締役COO。2023年4月に株式会社Doorkel参画し新規事業推進。現在は、COOとして経営全般、AI事業と営業/新規事業を管掌。BtoBエンタープライズ営業のキャリア16年、専門はSaaS/新規事業開発&海外SaaSの日本市場展開。国際唎酒師。

The Model 2.0とは?


当社では、特にインサイドセールスの業務において、AIによる定型業務の自動化を進め、人間が行うべき複雑な業務やお客様との信頼構築などに焦点を当て、AIとの共創を促進した営業プロセスモデル、「The model2.0」を提案しています。


従来のインサイドセールスでは、獲得したリードへのナーチャリングや商談の準備が手動で行われていました。しかしこのプロセスには以下のような課題が生じています。

●     お客様へのご連絡、メールの作成や資料送付、SFAへの履歴の記載など、日々の対応に追われ、発生した新規リードに早期のアプローチができない
●     新規リードの対応においては、もちろん品質を下げるわけにはいかず一定の工数が必要となる
●     新規リードの流入タイミングが重複した際はかならずどちらかが後手の対応になってしまう
●     新規リードへの対応スピードに限らず、本来人がすべきお客様の対応、その準備や新たな施策の検討等に時間を割くことができない

上記のような課題の解決はもちろん、The Model 2.0ではこれまでの分業制にAIの力を加えることで、以下のようなボトルネックを解消することが可能です。

●     人材不足による対応の遅れ
●     人材の能力に左右されるスキルの平準化
●     事業拡大に伴う人員コストの最小化

特に採用難易度が高く、採用や教育のコストの高い日本において、この課題は今後さらに拡大していくと考えています。

新規リードへの対応速度を改善して商談化率が約7倍に


ここでConversicaの事例を元に具体的な効果をご紹介します。特に新規リードからの商談獲得はインサイドセールスチームの創出する商談のベースとなり、早期に対応することができれば、平均商談化率が平均7.183倍増加するという事例があります。

※Conversicaをご導入いただいたお客様の商談化率の変化を表したグラフ


上記のグラフの通り、Webサイトにて獲得したリードに対してのリードタイムを72時間から24時間に短縮することによって、商談件数が平均で約7倍に増加しました。すでに他のデータでも立証されていますが、お客様の興味関心が高い間に対応をすることで、商談獲得率を引き上げることができます。

また、お客様の興味関心の温度感はもちろんですが、検討は数社を並行して進めることも多く、早いタイミングで確実に接触することで、検討のテーブルから外れることも防げるため、結果的に商談化率が高まると考えています。
 

投資を人からAIへ


リードタイムを短縮するためには、その分コストが大幅に増加します。上記の事例(A社)の場合リードタイムを短縮するためには最低でも8名の増員が必要で、約4,900万円分の追加投資が必要とされていました。
4,900万円の内訳

・インサイドセールス部門8名の増員 人件費500万円 × 8名 = 4,000万円
・採用コスト 150万円 × 6名 = 900万円
 ※人材紹介会社から6名、リファラルで2名採用と想定

現状の業務を維持したまま、新たに発生する新規リードにもれなく、かつ24時間以内にアプローチするためには、これだけのコストが発生することになるのです。しかし、ここには教育コストやマネジメントコストは加味していません。8名の採用であれば、新たにマネージャーが必要になりますから、それはまた別のコストとなります。

また、リードタイムを短縮するためには人ではなく、既存のツールを使うという手段も選択可能ですが、それでは品質の部分がボトルネックとなってしまいます。※お客様からの課題ヒアリングに基づく内容です。

・チャットBot
フォームにスムーズに入力してくださった、もしくは入力後すぐにお客様が離脱してしまう場合は、チャットBOTを起動するまもなくそのチャンスを失ってしまいます。特定の条件が揃えば効果的ですが、該当しないパターンもある。

・自動応対
一次対応ができるという意味では効果的。しかし、その後の返信率が低く、返信があった場合にも自動応対ができないという点で、結局は人の初期対応が必要なため、工数があまり減らない。
これらの問題に対処するためには、AIを搭載したツールで「より人間に近い対応」を実現する必要があります。以下の図は参考事例として、実際に行った効果測定を図示したものです。

 

AIアシスタント「Conversica」の効果


Conversica(コンバーシカ)はAIを搭載したアシスタントです。リードのリストからのアポ獲得や問い合わせへの返答など、様々な対応をインサイドセールスの代わりに自動でお客様との応対を行います。人間らしい会話形式での対応により、イベントフォローや解約阻止、ナーチャリングを漏れなく、手間なく、遅れなく実現できます。

また、その導入による効果は以下の通りです。

1.インサイドセールスの工数削減: 72.3%
Conversicaによる定型的な顧客対応の自動化により、工数を72.3%削減。

2.パイプライン作成に貢献: 1億7,250万円
Conversicaによって得たインサイドセールスの工数を活用し、休眠顧客の再燃施策やアウトバウンド対応を実施し、新規パイプラインを作成。

3.データの質向上
Conversicaを用いて顧客対応内容を統一し、各種CRMに連携。情報共有の抜け漏れやデータのブラックボックス化を解消。今後のインサイドセール活動において正しい顧客情報をもとに活動が可能に。

また、人間とAIでは下記のような特徴があり、それぞれの得意領域を生かせるような業務フローを再構築すすることが重要だと考えています。

●     人間:ホットリードとの信頼性構築(電話対応・複雑な問い合わせ対応・前向きな問い合わせ対応)
●     AI:定型的な顧客との応対業務はAIによって自動且つ迅速に対応

上記の内容は、インサイドセールスに留まらず、今後あらゆる職種職能においても検討が必要になっていくと感じています。
 

まとめ


・The model2.0時代の到来
これからはAIと人間が共創する時代、「The model2.0」へと変化していく。

・Conversica(AI)による業務効率向上
定型的な応対業務の自動化により、「工数削減」「新規パイプラインの作成」「データクオリティの向上」に寄与。

・人間とAIの得意領域におけるリソース配置が必要
人的リソースは顧客との信頼関係構築に注力し、AIが得意とする「定型的」「繰り返す」「スピード」は任せる。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 

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