本題に入る前に「自社のサービスは手紙施策(CxOレター)は有効なのか?」を知りたい方は以下の記事をご参照ください。
手紙BDR施策が有効なサービスと実施する際のポイント
リスト作成
まず最初に、企業名をバイネームでリストアップし、それからその企業の中でどなた宛に手紙を送るかをバイネームでリストアップします。
企業名のリストアップ
FORCASのような顧客分析・企業リスト作成サービスを活用するほか、クレディセゾンや帝国データバンクから企業リストを一括購入し、業種・従業員数・売上・上場/非上場区分等で絞ります。
すでにエンタープライズ企業の導入実績があるサービスの場合は、製品サイトに導入企業ロゴの掲載許可をいただいている企業の同業他社をリストアップする、といった方法もあります。
リストアップ作業自体はスプレッドシートでいいと思いますが、どの企業の誰にいつどのような手紙を送ったかの履歴を確認するために、SFA(Sales Force Automation)への登録は忘れないようにしましょう。
担当者のリストアップ
企業名のリストアップができたら、次は「どの部署の、どの役職の方」に送るかを調べます。以下はよく使われる情報ソースです。
・異動ニュース
日経の人事異動情報や各社のIRから抽出した高役席者の異動情報をまとめたサイトです。エンタープライズ企業であれば、このサイトを見れば50%程度の確率でお送り先が見つかります。
異動ニュース | 企業・組織の人事異動ニュース
relocation-personnel.com
・各社のIRや株主向けの情報、組織図
異動ニュースに載ってなくても、自社サイトには載っている場合があります。
・ターゲット企業が所属していそうな業界団体の会員名簿
これは最終手段ですが、業界団体のHPには会員名簿が公開されていたりすることが多く、ここに登録があればお名前だけでなく、部署名や役職名も見つかります。会員になっているのはほとんど取締役等の役員クラスの方なので、手紙BDRのターゲット情報を探す際はぜひチェックしてみましょう。
追客
手紙をお送りしたあとはお電話にて追客をしますが、ここは以下の2つのステップにわけることができます。
・受付突破〜本人に繋がるまで
・本人に繋がり、アポイントをいただくまで
受付突破~本人に繋がるまで
ここで重要なのは、本人が所管する部署に繋げてもらい、席にいることが多い時間帯を聞き出して追客することです。
受付の方にいきなり「取締役執行役員の○○様にお繋ぎ頂けますか」とお願いしても繋げていただけることはほぼありません。
エンタープライズ企業においては、そもそも受付の方が役員の方に手紙が送られている事実を知るすべがないからです。
手紙BDRを行う際は、まずは代表電話に架電することが多いと思いますが、本人に繋がるための第一関門は、最初に受電される受付の方に不審に思われないことです。
担当者の方をバイネームでリサーチをする場合、必ずその方の管掌部門も把握しているはずなので、「○○部の○○様にお取次ぎいただきたいのですが、○○部の方にお繋ぎ頂けますか?(事業所が複数あるときは、○○部はどちらの事業所にお電話させて頂いたらよろしいでしょうか?)」など、まずはその方がいる部門に接続することを目指しましょう。
部署直通の番号を入手できれば、あとは電話口の方に「○○様は何時に戻られますか?」と聞き、戻られる時間に合わせて追客を行います。
エンタープライズ企業の高役職者の方は一日中会議や予定がびっしりなこともほとんど。空き時間を聞いたら忘れずにSFAにタスクを設定し、確実にその時間にお電話をするようにしましょう。ここは本人に通電するまで、粘り強く追客をすることが大切です。
本人に繋がり、アポイントをいただくまで
やっとの思いでお手紙をお送りした方に繋がっても、うまくセールスピッチを行うことができず、アポイントに繋げることができなければ今までの努力が水の泡です。エンタープライズ企業の高役職者の方はただでさえ忙しいので、お電話が繋がった最初の30秒間で何をお伝えするかでほぼ勝負は決まってしまいます。いきなり電話がかかってきたよく分からない企業と、その場でアポイントの調整をするには、電話口でよほど先方にメリットのある提案ができなければ難しいです。
ですので、手紙の文面にも書く内容である「Why you now=なぜあなたに手紙を送っていて、話を聞くとどんなメリットがあるのか」を端的に伝えられるように事前の準備を徹底しましょう。
Why you nowを磨くには以下の準備が必要です。
・業界知識や最新のトレンドのインプット
・IRや中期経営計画などから、経営課題の把握
・同業界の顧客事例を、あたかも自分が顧客担当かのように話せるまで解像度高くインプット
こちらはインサイドセールスだけではなく、フィールドセールスやカスタマーサクセスとも連携し来るべき着電の瞬間に備えましょう。
まとめ
・手紙BDRは追客までやり切ることが成功のポイント。あらかじめ、リスト作成から追客までのオペレーションはなるべく効率化しておく。
・どの企業の誰にいつどのような手紙を送ったかの履歴を確認するために、SFAへの登録を徹底する。
・エンタープライズ企業の高役職者へのお電話は最初の30秒ですべてが決まる。来たるべき瞬間のために「Why you now」の準備をしておく。