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生産性を高める超データドリブン主義

瀬河真ノ輔|RevComm2023/11/17
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本記事では、株式会社RevCommのBDR(SDRとは対象的に主にアウトバウンドにてアプローチして商談機会を獲得するインサイドセールス)組織において、営業レベルを向上させるために実施しているフィードバックの仕組みをご紹介いたします。少しでも皆様のBDR組織においてお役に立てれば幸いです。

瀬河真ノ輔 株式会社RevComm。BDR組織の立ち上げをメインミッションにRevCommへ参画。BDRとCSを兼務し、エンタープライズのお客様を中心に電話営業のコーチングやインサイドセールスの立ち上げ支援を行う。電話営業について日々探究しています。

BDRにおいて振り返るべき商談とは?


メインで振り返るべき商談とは、失注案件(架電したが、商談獲得できなかった案件)です。具体的には、以下のような失注案件を振り返っています。

・自身で失注理由がわからない
・お客様からのネガティブな意見に対してうまく切り返せなかった
・なぜ、4つの不(不信、不要、不適、不急)を払拭ができなかったのかわからない
・自己紹介、Why You Now、導入事例、日程調整、ヒアリング、テストクロージングで躓いた

振り返りの手順は?


振り返りの手順は以下の順で行うことを推奨しております。

  1. 架電者が、なぜこの音声をセレクトしたか、

   ※何に悩んでいて、何をフィードバックして欲しいかを自ら述べる

  1. 2倍速再生で商談音声をチームメンバー全員で視聴する
  2. 音声を視聴しながら、スプレッドシートに採点した点数を入力していく
  3. 良い点と改善点を聞き手側がフィードバックをしていく
  4. 架電者が、フィードバックを受けて、感じたこと、次回以降何に注意をするかを宣言する


弊社で活用している振り返りシートはこちらです。


フィードバックのコツと振り返りの項目は?


フィードバックのコツは、4 つの不(不信、不要、不適、不急)のどこで躓いたのかを明確にして定量的に振り返ることです。また、架電者自身にフィードバックが欲しい音声をセレクトしてもらう(能動的な学ぶ姿勢を根付かせる)ことが重要です。

振り返り項目は以下の10点です。

  1. 3C分析
  2. ラポール形成
  3. why you now
  4. 仮説提示
  5. SPIN(状況/問題)
  6. 傾聴/共感
  7. SPIN(示唆/解決)
  8. 事例活用
  9. 整理
  10. Nextの合意


・3C分析
お客様の市場/競合/お客様のお客様を理解し仮説を提示できているか

・ラポール形成 
お客様の強みや現在の具体的な状況を理解し、信頼関係を築けているか

・why you now 
なぜ、あなたに、いま連絡したのかを明確にし、納得感を得た会話ができているか

・仮説提示 
お客様の業務を理解し、2つ以上仮説を提示できているか

・SPIN(状況質問 / 問題質問)
お客様の立場や現状を理解し、潜在課題と顕在課題を深掘りできているか

・傾聴 / 共感
傾聴しお客様に寄り添うような共感姿勢を持てているか

・SPIN(示唆 / 解決) 
お客様に危機感を持たせ、課題を実際に解決できたらどうなるか、についてイメージさせられているか

・事例活用 
数値を用いた事例活用から、お客様が納得感を持った説明ができているか

・整理 
提案内容とヒアリングの合意と、トークの主導権を握った会話が進められているか

・Nextの合意 
提案内容に合意してもらい、お客様に会いたいと思わせることができているか

各項目で5点ずつ(計50点)で採点しています。

0点:未使用
1点:大至急改善必須
2点:改善の余地あり
3点:ボーダーライン
4点:お手本としてOK
5点:神レベルトーク

案件獲得につなげるロールプレイングとは?


上記の通りに採点後、自身で改善ポイントを明確し取り組んでいくのですが、そのひとつとしてロールプレイでの活用をおすすめしています。

加えて、RevCommでは案件獲得につなげる為のロールプレイとして、アプローチ予定(当日架電予定)のお客様になりきってのロールプレイを実施しています。FOCAS SalesとSidesonarを使って、決算書、有価証券、プレスリリース、組織図、求人情報、業界レポート等チェックし、お客様を演じます。

お客様になりきればなりきる程、実践的なフィードバックが実施でき、実際の架電時に何を意識して話すかをイメージして挑むことができるようになります。この運用をスタートしてからメンバーの案件の獲得率、案件の精度、共にグンッと上がりました。また、お客様役側も営業担当以上に当事者思考が必要なため、3C分析やWhy You Nowのスキルが鍛えられるのでオススメです。

振り返りに役立つCTIの機能とは?


振り返り効率を上げるために、特に便利な機能を3点ご紹介します。

  1. 電話音声の倍速再生
  2. 振り返り商談(躓いたポイント)の仕分け
  3. 振り返り商談(失注商談)の自動通知



1.電話音声の倍速再生

録音音声を共有してチーム全員で視聴する際は、速度の調整ができるツールを利用することをオススメしています。
私の組織では1.75〜2.0倍速で再生していますが、時短の観点だけではなく、脳みその活性化を狙っています。
慣れるまでは、速すぎてついていけない方がほとんどだと思うので、最初のうちは1.25倍〜1.5倍速で再生することをオススメしています。



2.振り返り商談(躓いたポイント)の仕分け

電話音声ごとに応対メモ(どのような電話だったのかの印)をつけておいてあげると集計が簡単になります。また、失注した際に、〈自己紹介、Why You Now、導入事例、日程調整、ヒアリング、テストクロージング、4 つの不(不信、不要、不適、不急)〉のどこで躓いたのかをチェックしておくことで、振り返り時のポイントを一瞬で把握できます。

先月比や先週比で、どの不が増えた?どの不が減った?を定量的に比較することで、メンバーの現在の弱点を正しく理解でき、成長を定量的に把握できるのでオススメです。





3.振り返り商談(失注商談)の自動通知

BDRのMGRやSVの方々には、メンバー商談で躓いた際に、ご利用中のチャットツールに自動で通知させることをオススメしています。私の組織では、応対メモをSlackと連携させており、メンバーが「FB希望」を選択した際に、タイムリーに通知を受け取れるようにしています。
※FB=フィードバック

振り返る案件数の多さに応じて、終礼時にまとめて振り返る方がいいのか、2時間ごとに振り返りの場を設けてあげた方がいいのか、などはそれぞれだと思います。
ですが、記憶の新しいうち(必ずその日のうち)に振り返りを済ませることが非常に重要です。(人間の脳みそは翌日には74%は忘れてしまう構造のため)


最後に


今回は、BDR組織において、振り返り時にチェックすべき項目をご共有させていただきました。ご紹介したものは、飽く迄も一手法でしかないですし、もっと良い振り返りの方法は無数に存在すると思います。

各社のBDR組織がどういう振り返りを実施しているか興味のある方も多いと思いますので、是非、会社の垣根を越えて、取り組みをシェアし合ってブラッシュアップさせていきたいですね!ありがとうございました。

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