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手紙BDR施策が有効なサービスと実施する際のポイント

山下翔平 | Leaner Technologies2023/11/17
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エンタープライズ企業の決裁者のアポを獲得する手段として有効な「手紙BDR」。株式会社Leaner Technologiesではエンタープライズ企業の有効商談の70%以上が手紙経由だったことも。本記事では、株式会社Leaner Technologiesの事例に触れながら、手紙BDRが有効な企業・サービスの特徴、手紙BDRを行う際のポイントについて解説します。

山下翔平 株式会社Leaner Technologies所属。調達・購買部門向けSaaS「Leaner見積」でIS組織立ち上げ→エンタープライズセールス | 日産(経営企画)→ベンチャー(The modelすべて)→リーナー | 発信内容→大手向け法人営業、BDR、インサイドセールス、セミナー運営まで幅広く担当。

手紙BDRが有効な企業・サービスの特徴


手紙BDRはエンタープライズ企業の新規開拓を行う上で、どのような企業・サービスにも有効な施策ではありません。
手紙BDRが有効な企業・サービスは主に以下の3つがあげられます。

  1.商材がエンタープライズ向けで高単価なので、ある程度CACが高くても許容できる
  2.ターゲットに対して、「紹介」など他の手段でのリード獲得が望めない
  3.サービス導入の際、現場主導で商談が進みづらく、高役席者を巻き込む必要がある

1に関しては手紙BDRでの商談獲得単価は決して低くありません。最低でも10万円/件は超えることが多く、それぐらいのコストをかけてでも受注した際のリターンが見込めるサービスでなければ費用対効果が合いません。

仮に商談獲得単価が10万円で、受注率が10%だとしたら、CAC(Customer Acquisition Cost 顧客獲得単価)は100万円を超えてしまいます。したがって、それぐらいのCACを許容できるサービスでなければ手紙BDRが有効とは言えないので気をつけましょう。

2に関しては、BtoBサービスの購買行動において「信頼できる人からの紹介」は重要なチャネルです。まだサービス自体の知名度が低かったり、導入企業が少なかったり等、紹介が見込めない場合、エンタープライズ企業の決裁者から商談機会を獲得するのは難しいでしょう。こういった場合、手紙BDRを有効な施策として検討しましょう。逆に言えば、紹介が見込める場合は手紙BDRではなくまずはその紹介を促す施策に注力すべきです。

3に関しては、商談におけるCP(カウンターパート、窓口となる担当者)が担当者レイヤーでもサービス導入を決定できるような商材であれば、わざわざ高役席者と接点を持つ必要がありません。しかしながら、高単価な商材や、導入時に社内の複数部署を巻き込んで意思決定をしなければならないような商材では高役席者の方の関与がなければ商談自体を進めることができないケースがほとんどです。こういった場合にも、バイネームでターゲティングする手紙BDRが活きます。

手紙BDRを行う際のポイント


手紙BDRを行う上で最も重要なポイントは、以下の2つです。
①ターゲティング
②追客の徹底

①ターゲティング


これは手紙BDRに限らず、どのような施策においても大事なポイントと言えます。

特にエンタープライズ企業に対してはバイネームで数百社程度までに絞った方が成果に繋がります。
もし、その業界を代表するような企業に導入いただいており、そのロゴ掲載を獲得していたら、その企業の同業他社にアプローチしていくことが望ましいでしょう。

ターゲットが絞れない場合は手紙BDRは効率が悪いので、まずは捨てる勇気をもってターゲットを絞ることからはじめましょう。エンタープライズ企業の導入実績がない立ち上げ期のサービス・スタートアップ企業であっても、自社のサービスが刺さるセグメントはどこなのか、仮説を立てた上で取り組むことが大切です。

ここをおざなりにしてしまうと、手紙BDRの効果検証を行うことができません。社内のフィールドセールス・カスタマーサクセスと密に連携し、「自社のサービスは誰に一番深く刺さっているのか」という観点から、ターゲットの仮説を立てましょう。

②追客の徹底


手紙BDRはターゲット顧客に対し、どの部署のどの方にお送りするかまでバイネームまでターゲティングを行って実施する施策ですが、お手紙をお送りしただけで先方からご返信をいただけることはまずありません。

「手紙をお送りすること」と「フォローコールをしてご本人への通電を目指すこと」は必ずセットで行いましょう。
手紙BDRでの成否は、この追客を徹底的にできるかによって決まるといっても過言ではありません。

100社に手紙を送って、フォローコールを行うと90社以上に断られるのが実態です。しかしながら、ターゲティングを精度高く行っているので、いざ商談を行って、サービスを導入いただけば、お客様は必ずサクセスができるのが手紙BDRです。ときには、手紙を送った1社に対して何十回もお電話をすることもありますが、粘り強く追客し続けましょう。

まとめ

・手紙BDRが有効な企業・サービスは主に以下の3つ。
 -商材が高単価なので、ある程度のCACを許容できる
 -「紹介」など他の手段でのリード獲得が望めない
 -現場主導で商談が進みづらく、高役席者の関与が必要
・手紙BDRの成功には「ターゲティング」と「追客の徹底」が最も重要である。
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