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返信されるメール、返信されないメール

原 秀一 | セールスリクエスト2024/1/10
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本記事ではメールを送る基礎について触れていきます。インサイドセールスの皆さんであれば日常的に送っているメールも、ほんの少し工夫することでさらに返信率を高めることができます。お読みいただいたあとにぜひ実践してみてください。

原 秀一 株式会社セールスリクエスト 代表取締役。大手人材企業にて求人広告営業に従事。その後、弁護士ドットコム株式会社にてフィールドセールス・インサイドセールス・営業推進に従事、スタートアップ企業を経て2019年にセールスリクエストを創業。

前提


ここでは主にメール配信によって返信を獲得する方法について言及していきます。しかし、1通1通お客様にお送りするメールにも転用できる内容でもありますので、ぜひ色々なシーンで活用いただければと思います。

結論


早速ですがいきなり結論です。もちろん様々な工夫やポイントはありますが、メール送信においては以下の3点に注力することが重要だと考えています。

  1. シンプルであること
  2. お客様のほしいタイミングで届けること
  3. 送る相手に合わせた内容にすること


シンプルであること


インサイドセールスがメールを送る目的の多くが商談の獲得ですが、いくつかの段階を踏むこともあります。そういった状況や目的をあきらかにして余計なことを書かず、シンプルに作成することが大切です。

目的をシンプルにしてその一点に集中し、相手の心を動かすようなメールを作ることができれば、成果は格段に上がります。そのために必要なメールの構成は以下です。

・自分は誰で何者なのか
・なぜ今連絡したのか
・なぜあなたに連絡したのか
・どのような価値提供ができるのか

一般的な内容ですが、私に実際届くメールの多くがこの要件を満たしていません。例えば「なぜ連絡したのか」ですがこちらには関係のない内容がほとんどですし、結論も明確に記載されていないことが多くあります。

一方で伝えたいことが多すぎるアピール渋滞にも注意が必要です。自社の素晴らしさ、商品の素晴らしさ、事例やお客様のお褒めの言葉、◯◯No1を獲得などの実績、受賞歴など、お伝えした方が良いこともありますが、読まれなければ、お客様が理解してくださらなければ結局は意味がありません。

鉄則としては ”1メール、1訴求” です。

だからこそ目的をシンプルにする必要があるのです。「お客様にまずは自社が信頼できる会社だと理解してほしい」だとするならば事例は大手企業のものを選ぶのが良いですし、もし業界シェアがトップなのであればそれも良いでしょう。

目的が複雑になっているせいでアピールポイントが増え、渋滞してしまうのです。

お客様のほしいタイミングで届けること


メール配信における最高のタイミングはお客様が検討している瞬間です。「なにかトラブルが起きて困っていた」「数字の進捗が思わしくない」「社長から来期の戦略検討の指示が出た」など理由は様々ですが「いままさに検討していました」というタイミングでメールを届けることができれば、商談の獲得ハードルは格段に下がります。

そしてそれは数ヶ月に1度では少ないと思っています。その頻度ではお客様に変化が起こり、課題解決の方法を検討し、商談し、決定してしまうことも十分に想定されます。もちろんメールによってナーチャリングすることも重要ですが、同じくらいタイミングキャッチをすることも重要なのです。

送信頻度については隔週でも多くはないと考えています。もちろん同じ文面やコンテンツを送り続けることはありえません。前提としてお客様が必要としている情報を届ける必要があります。

相手に合わせた内容にすること


シンプルな内容、最適なタイミングにこだわっても全てを台無しにしてしまうのが、誰に送るのかという要素が抜け落ちている場合です。BtoBの場合、自社サービスを実際に利用するユーザーなのか、意思決定に関わる人物なのか、もしくは情報システム部門なのかによって、ニーズやお困りごと、訴求点は圧倒的に変わります。

A社という企業の課題は考えても、Aさんという個人の現状や課題まで考えることができなければ、そのメールは相手にとっては意味のないものになってしまいます。

例えば意思決定者であればコストや利益を気にするかもしれません。部門長クラスであれば事業全体の売上や生産性を気にするかもしれません。ひとりの営業であれば業務の効率化やタスクを減らせるという部分にメリットを感じるかもしれません。

このように誰に送るのか、個人まで想像してメールを作成することが返信率を上げるのです。

返信がきたメールの構成


実際に返信のあったメールをご紹介します。

配信対象者
自社ハウスリスト内のマーケティング責任者
※受注分析した結果、弊社はマーケティングチームからの問い合わせの方が圧倒的に多く、受注の6割を占めることからBtoBマーケターが配信対象となります。

構成
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タイトル:ディスカッションのご依頼

本文:

〇〇様

お世話になっております。合同会社セールスリクエスト原です。
在宅ワークが増えていることもあるためメールでのご連絡失礼します。

〇〇様が〇〇のデジタルマーケティング業務を推進されていると拝見しました。リード獲得施策の強化を行うタイミングかと推察しディスカッションの機会をいただけないかと思い個別でご連絡させていただきました。

弊社は、”BtoBマーケティングにおける効果検証”を目的としたインサイドセールス代行事業を展開しており、施策別の効果計測から定性情報の共有までをサポートしております。BtoBマーケティングを強化していくタイミングの貴社こそ価値提供が最大化することが特徴でございます。

そこでオンラインではありますが、30分ほどのお時間で構わないので、ディスカッションのお時間をいただけないでしょうか。

候補日
○月○日〜○月○日の平日
※〇〇様の都合良い日程をご教示ください。

ご興味あればご返信お待ちしております。
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いかがでしたでしょうか?
構成として以下を意識して作成してみました。

・自分が誰なのか
・なぜあなたに連絡したのか
・なぜ今連絡したのか
・どのような価値提供が可能か
・要件を太字で強調
・文字量は404字

同様の構成で配信した所、メールからの返信率16%・商談設定率4.3%と自社としては満足のいく数字となりました。更に、その後の電話やメールなどで追客フォローまで加味すると、このメール施策のみで2桁件数の商談を獲得することができました。

最後に


今回のテーマは、メール施策について共有させていただきました。インサイドセールスは電話だけではなく、メールにもリソースを割いて仕事していくことが求められる時代に突入しています。従来型のコール量に頼ったアクションだけでなく、メールをフル活用したインサイドセールスの施策をぜひ取り入れてみてください。

セールスリクエストは、BtoBマーケティングの効果検証を行うためのインサイドセールス代行事業を行っております。BtoBマーケティングにこれから投資していくタイミングだ、という企業様であれば、価値提供できると思います。ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。

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