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インサイドセールスに最適なリードの数は?

浜田 英揮 | immedio2024/1/10
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本記事ではインサイドセールス、主にSDR(主にマーケティングが獲得した問い合わせから商談を獲得するインサイドセールス)における最適なリード数についてご紹介していきます。SDRの主な商談作成ソースはマーケティング部門から提供されるリードですが、その最適な数字についてはあまり知見がないように思います。外部データの情報などを参考にしながら解説していきますので、ご参考になれば幸いです。

浜田 英揮 株式会社immedio 代表取締役。新卒で三井物産に入社。Harvard Business School留学後、2016年にbitFlyerに参画し、US拠点でCFO/現地拠点長を務める。2019年からはSansanでグローバル戦略統括部長に就任。2021年からはBill Oneのプロダクトマーケティング及びインサイドセールス部門のマネジメントを担当。2022年にimmedioを創業。

インサイドセールスに最適な月間リード数


私はひとり当たりの最適な月間リード数を150件から200件に設定しています。これはZoominfoが月間のひとりあたりリード数を140件程度に設定しているからです。※以下の記事の中に約10,000件のホットインバウンドリード(製品の導入検討している、もしくは強い課題感を持っていると想定される問い合わせ)を70名のSDRで対応しているしている記述から算出しています。


引用:https://pipeline.zoominfo.com/sales/how-to-respond-to-every-lead-within-90-seconds


しかし、日本国内ではこの限りではないないか?ということもあり、茂野氏にもインタビューを行った。回答は「私も最適な件数は150-170件と考えています。それは過去の経験から、その件数に設定したときが最も商談獲得率が高かったからです。」というものだった。

それでは記事引用元のZoominfoの業績はどうだろうか?果たしてこの成果が業績に結びついているのだろうか。結果は以下の通りである。同社は40%成長しながら高い営業利益率を出す、というSaaSでも特に営業効率の良い企業だが、月10,000件のホットリードを70人で対応し、65%を商談化している。その秘訣はどこにあるのでしょうか?

引用:https://us.kabutan.jp/stocks/ZI/finance


ホットリードに対しては90秒以内に架電する


先程引用した記事にも書かれていますが、Zooninfo社は「数分以内に架電しないとつながる可能性が10分の1に減少する」と考えています。これはXant社の提供するデータでも解説されています。

しかし、一方で「90秒以内に架電しましょう、はいわかりましたとはならない」と書かれています。そのために必要な業務プロセスを構築し、抜けや漏れが行いように実行する必要があります。ポイントは以下の3つ。

①フォームが入力されると同時に企業属性情報をリッチ化し、リアルタイムでスコアリングを実施
②SDRが他の電話や会議中であればシステムでフラグを立て、リードを割り当てない
③CEOが毎月偽名で問い合わせをし、いつ電話が来るか試す

特に①はかなり重要で、最短で架電してもお客様の情報が全く無かったり、ミスマッチな担当から電話しているとかえってマイナスになることもあるので注意が必要です。一方で、お客様の情報を取ろうとフォーム項目を増やすと、CVRが下がるというジレンマも。出典はこちら

②についてはシステム構築が必要ですが、厳密にここまでする必要があるかどうかは各企業で考えてみても良いポイントだと思います。

③については実際に覆面調査をしている企業もあると聞きます。設計上は5分以内、10分以内となっていますが実態はそうではなかったということもあるそうです。しかしそれはインサイドセールスメンバーの問題ではなく、オペレーションになにか問題があるのかもしれません。※今回の記事で言うと単純に割当数が多いのかもしれません。

最適なリード数は対応速度だけでは算出されない


ここまでは「対応速度」を中心にお話ししてきましたが、インサイドセールスの最適リード数を決めるのはそれだけではありません。もうひとつ考慮すべきは「継続的なアプローチから生まれる商談数」です。

インサイドセールスに従事する方であれはご理解いただけると思いますが、SDRの商談は「当月の新規リード」「過去に割り当てられたのリード」「失注商談」「アウトバウンド」などから発生します。この過去のリードもSDRの介在価値のひとつですが、継続的にアプローチする場合は工数が必要となります。ただなにも準備せず、毎月連絡をすれば良いというものではなく、お客様のニーズに合わせた準備、架電終了時に次のアクションを設定するという丁寧な対応が成果を分けます。

そういった細かい対応をするためにも、月間のリード数を一定に抑える必要があると考えています。多すぎるとそもそも対応する時間がありませんし、架電してすぐに商談になるリードだけで数字を作ろう、そういったリードを選ぼうという意識が強くなり、情報収集中のお客様の満足度も下がります。

過去のエースと呼ばれるインサイドセールスの分析や、マーケティングチームとの分析によって、スピード×対応キャパシティで最適なリード数を設定することが望ましいと考えています。

まとめ


・インサイドセールス(SDR)に割り当てる最適な数は140件から多くても200件程度
・その判定基準は「商談獲得率」「リード対応の速度」で判断する
・設計したオペレーションが問題なく動いているか定期的にチェックする
継続アプローチによる商談創出も加味する

これらのまとめを元に自社の現状を振り返りながら最適な状態を目指して行っていただきたと思います。一方で、Zoominfo社も提唱しているように「最適な顧客体験」が必要不可欠です。見込み確度の高いホットリードであれば成立しますが、ミスマッチな場合はマイナスに働いてしまいます。スピードは重要ですが、お客様の体験も同様に深く考えていく部分だと考えます。

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