アポイント獲得力を構成する要素
前提として、インサイドセールスのアポイント獲得力を構成する要素は、具体的な業務内容により異なります。大別すると、インサイドセールスの業務には次の2つがあります。
● SDR(Sales Development Representative:反響型)
● BDR(Business Development Representative:新規開拓型)
SDRは、顧客からの問い合わせを受けて対応する反響型のインサイドセールスであり、BDRは、顧客を見つけるためのアプローチを行う新規開拓型のインサイドセールスです。そして、SDRとBDRでは、アポイント獲得力を構成する要素が次のように異なります。
今回の記事では、SDRに焦点を当ててアポ率を高める実践的な工夫について解説します。上の図からもわかる通り、SDRの場合はヒアリングと話し方を工夫するだけでアポ率が大きく変わる可能性があります。
アポ率を高める超実践的な工夫10選
ここから現役トップパフォーマーの瀬河が実践している工夫10選を紹介します。
いずれも明日から試せるため、アポ率向上に役立ててみてください。
工夫①:架電前の架電先のリサーチ
架電をする前に架電先をリサーチするのは当然ですが、全ての企業を細かくリサーチしていると時間がなくなってしまいます。そのため、リードの質に応じてリサーチの工数にメリハリをつけるべきです。
一般的に、SNS広告などからの流入は質が低く、自社サイトを通じた資料請求などからの流入は質が高いといえます。このように流入経路からリードの質を判断し、架電前のリサーチにメリハリをつけましょう。
工夫②:受付突破のコツ
架電時に受付カットに遭った経験は誰にでもあるはずです。実は、少しの工夫で受付突破率を高められます。
受付を突破するためには、先方担当者と「すでに関係がある」と思ってもらうことが大切です。担当者の名前を把握している場合は、すでに何度も話している体で受付に要件を伝えましょう。
工夫③:オープントーク(話始め)のコツ
受付を突破し、担当者に接続できた後も気を抜いてはいけません。担当者と話す際には、次の4つのポイントを意識してください。
● 商材の機能について長々と話さない
● 商材を思い出してもらえる単語を伝える
● 売り込み感をなくす
● 気遣いを忘れない
この4点を意識すると、担当者からの印象が良くなります。
工夫④:追客の方法
インサイドセールスにおいて、1度目の通話でアポを獲得できる可能性は決して高くありません。しかし、担当者と一度つながることができた事実は有効活用すべきです。そのためには2回目以降のフォローアップが重要になります。
次の図は、1リードに対するアプローチフローをまとめたものです。
この図を参考に、電話とメールを組み合わせて担当者をフォローしてみてください。
工夫⑤:追客メール
インサイドセールスでは、原則として電話中心のアプローチを心がけます。ただし、メールもピンポイントで効果的に活用すると良いでしょう。
以下の図は、追客メールの参考文面です。
文面と、次のポイントを参考にしながら追客効果を高めるメールを作りましょう。
● 営業感を出さない
● 機能の紹介をしない
● 2回目以降のメールに関しては、着信を複数回お入れした旨の謝りを記載
● お客様側で電話の時間指定していただく
● 再度電話を入れる旨を記載
● 電話対応がめんどくさそうと思われないようにする
細かな点も多いですが、慣れると、適切なメールを自然に作成できるようになります。
工夫⑥:留守電の残し方
常に担当者に接続できるとは限らないインサイドセールスでは、留守電の印象も重要です。留守電を残す際は、明るいトーンで、営業感を出さないように注意しましょう。
留守電での細かい機能紹介は避けてください。また、何度か留守電を残した後に折り返しがあった場合は「何度もお掛けして大変申し訳ございません」のトーンで話すと印象が良くなります。
工夫⑦:トークスクリプトの再現度合い
インサイドセールスにはトークスクリプトが用意されていることが多いです。さまざまなお客様と話していると、トークスクリプトからどこまで脱線して良いか悩むこともあるでしょう。
最終的にはトークスクリプトを正確に再現せず、お客様に合わせて柔軟な対応ができる状態を目指すべきです。柔軟な対応は「サービスの理解度を高める」「近しいお客様の事例を下準備なく話せるようになる」の2点から生まれます。
工夫⑧:アポを切り出すタイミング
インサイドセールスでは、アポを切り出すタイミングも悩みどころです。電話でさまざまな内容を話して、最後にアポを切り出すケースも多いでしょう。しかし、お客様によっては「興味はあるけど、話が長い」と感じるケースもあります。アポを切り出すタイミングの基準は「BANT情報」を聞く前です。
BANT情報とは、「Budget:予算」「Authority:決裁権」「Needs:必要性」「Timeframe:導入時期」を指します。アポを切り出した後にBANT情報を聞いて、提案すべきでないと判断した場合はアポをキャンセルして問題ありません。
工夫⑨:質疑応答トーク
お客様の質問に対して何をどこまで回答すべきかについても、戦略的に考える必要があります。結論として、インサイドセールスは、いかにお客様の悩みを聞き出せるかが重要です。なぜならば、複数の悩みを聞けると、フィールドセールスが商材を提案するポイントを複数作ることができるためです。
インサイドセールスがお客様の課題を解決する必要はないため、ヒアリングに力を入れていきましょう。
工夫⑩:個人的に行うスキルアップ方法
スキルアップしたいと思っていても、日々忙しく、また、自分を客観視するのは難しいものです。そのような場合は、自分で商談化した案件を追うことから始めましょう。
具体的には、フィールドセールスからフィードバックをもらったり、カスタマーサクセスから顧客事例を聞いたりします。このようにして客観的な視点を取り入れて、インサイドセールスの技術を高めるのです。
まとめ
SDRのアポイント獲得力の60%はヒアリング、30%が話し方、追客は10%です。トップパフォーマーは、受付突破までは一定の工夫をしつつも機械的に行動し、担当者と話す際には柔軟な対応を心がけています。あなたのアポ獲得を妨げているポイントについて、今回の記事を参考に改善を図ってみてほしいと思います。
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